スープを飲まなければ「毎日カップラーメン」生活でも問題ないでしょうか? お金がないので、なるべくカップラーメンで節約したいです…。
カップラーメンは手軽な食事でありながら栄養や健康面での懸念もある。
日清の創業者がインスタントラーメンを開発し、後にカップラーメンが誕生した経緯。
栄養価としてはたんぱく質や脂質、炭水化物が多く含まれるが、食塩摂取量には注意が必要。
お湯を注ぐだけで食べられるカップラーメンは、手頃な価格と豊富な種類で毎日食べても飽きがこないくらい、人々にとって身近な食事です。
しかしカップラーメンに対し、「健康によくない」というイメージを持っている人も少なくないでしょう。
そこで本記事では、カップラーメンの栄養や健康への問題について解説します。栄養面を配慮した食べ方の工夫も紹介するため、参考にしてみてください。
戦後日本の経済状況は厳しく、国民の食生活は貧しいものでした。そうした中、カロリーが高い栄養食として人気を集めていたのが中華そばです。
しかし、現在とは異なり、当時は誰もが気軽に食べに行けるわけではなかったのです。この問題を解決しようと、日清の創業者である安藤百福が1958年にインスタントラーメンを開発しました。
その後、スナック菓子や飲料など気軽に手に入る商品が増えたこともあり人気に陰りが出ます。その状況を打破するため1971年に生まれたのが「カップラーメン」です。
発泡スチロールに入っているため、食器が不要とさらに便利になったカップラーメンは、後に日清のほかにも14社が商品展開に参入し、市場を広げていきました。
そして、ラーメンのほかにも「焼きそば」やうどん・そばなどの「和風めん」など、よりバラエティに富んだ商品展開が進み、現在も多くの人に親しまれる定番商品となったのです。
半世紀以上もの歴史があり、多くの人がその手軽さから食事に取り入れているカップラーメンですが、栄養面はどのようになっているのでしょうか。
カップラーメンの元祖でもある日清の「カップヌードル」に表示されている栄養素は次の通りです。
・熱量 351キロカロリー
・たんぱく質 10.5グラム
・脂質 14.6グラム
・炭水化物 44.5グラム
・食塩相当量 4.9グラム
・ビタミンB1 0.19ミリグラム
・ビタミンB2 0.32ミリグラム
・カルシウム 105ミリグラム
上記から分かる通り、カップラーメンには三大栄養素であるたんぱく質・脂質・炭水化物が含まれています。しかしその多くが炭水化物であることや、その他の栄養素が摂りにくいため、栄養豊富とはいい難いでしょう。
また、1日の食塩摂取量は男性7.5グラム未満、女性6.5グラム未満に抑えるのがよいといわれています。つまりカップラーメンでスープまですべて完食すると、食塩の過剰摂取につながる恐れもあるでしょう。