人生100年「元気な超高齢女性」に憧れ 紙布織作家91歳 英国で講演、東京で個展 近ごろ都に流行るもの

AI要約

長寿傾向となる日本女性の当事者意識が高まっており、超高齢(90歳以上)女性が注目されている。

織物作家の佐藤和子さん(91)は丈夫で美しい「紙布織」を伝承し、ロンドンで講演し、東京で個展を開催中。

佐藤さんは生活力に溢れ、明るくおおらかな人柄で多くの人を魅了している。

佐藤和子さんは、元気いっぱいで明るく、家事や織物制作、伝統的な技術の研究に取り組んでおり、自身の好きな織物を続けることを大切にしている。

また、佐藤さんはダウン症の次男と共に楽しく暮らしており、自らも織物の講座を持つなど、活動的な日々を送っている。

佐藤和子さんは柳宗悦の「民藝」の精神に傾倒し、紙布織の復興に尽力した佐藤忠太郎氏の後継者として、織物の世界で活躍してきた。

家族の支えや環境の影響も受けながら、佐藤さんは織物作家としての道を歩んできた。

人生100年「元気な超高齢女性」に憧れ 紙布織作家91歳 英国で講演、東京で個展 近ごろ都に流行るもの

近年急に「人生100年時代」と騒がれだし、いつまで働くか、元気でいられるのか…と、新たな課題が突き付けられている。長寿傾向で知られる日本女性の当事者意識はなおさら強い。この夏公開の映画がヒットした佐藤愛子さんのエッセー「九十歳。何がめでたい」をはじめ、人生のお手本として超高齢(90歳以上)女性が注目されている。そんな一人。丈夫で美しい「紙布(しふ)織」を伝承する織物作家の佐藤和子さん(91)は今年、ロンドンの大英博物館に招聘(しょうへい)されて講演、現在は東京で個展を開催中だ。

■市井の「おばあちゃん」の書籍も続々

「機織りしてると、五十肩とか腰痛にならないねって、先輩方も言っていましたね。足も手も動かすでしょ。全身運動」と佐藤さん。3男2女を育て上げ、5年前に夫を見送り、現在はダウン症の次男(55)と福島市内で暮らしている。ヘルパーに頼らず家事をこなし、伝統的な技術で織物を制作、研究や伝承に取り組んでいる。

「夫を介護していたときも、それでよく織物できるねって言われてましたけど、なるべくまぁ本人にやらせた方がいいとか、深刻にはならなかった。自分の好きな織物を続けたいし、欲張ってもいいのかなぁと。次男とも、一緒に歌を歌うなどして楽しく暮らしています」

21日~10月14日(火、水、木曜は休み)、大田区の町工場跡を活用した「ギャラリー南製作所」で「佐藤和子の仕事 縞帳(しまちょう)と紙布と紙子(かみこ)」展を開催。オーナーの水口恵子さん(64)は、作品や業績もさることながら佐藤さんのおおらかで明るい人柄、生活力にも魅了され個展を企画した。「元気いっぱいで爽やか。お料理もお上手で、これ食べなーと出してくれた漬物が、めちゃくちゃおいしかった」と水口さん。

福島県喜多方市出身の佐藤さんは東京家政大短期大学部卒業後、岡山県の倉敷本染手織研究所に入所し、柳宗悦(むねよし)の掲げる「民藝」の精神に傾倒。一方、後の嫁ぎ先となる義父の佐藤忠太郎氏は宮城県白石市で、伊達藩由来の手漉き和紙を使った紙布織を復興した人物であり、後継者として見込まれた佐藤さんは長男の忠さんと結婚した。

「忠太郎は変人レベルで紙布織研究に没頭し、お金を稼がない。義母がお茶やお花を教え、夫はサラリーマンになって家計を支えた」と振り返る。自身も短大で織物の講座を持った。