市販の睡眠薬よりも効果的…専門医が「ぐっすり眠れるようになる」と断言する"100円で買える最強食材"

AI要約

深い眠りを得るためには、朝からトリプトファンを摂取することが重要だ。

トリプトファンは眠りを促すメラトニンの材料となり、睡眠の質を高める。

他にも、GABAやチロシンなどの栄養素も睡眠を助ける効果がある。

疲れを取り除くにはどうすればいいのか。睡眠専門医の白濱龍太郎さんは「睡眠の質を上げることが大切だ。トリプトファンという栄養素を朝からしっかり摂取することで、深い眠りは実現できる」という――。

■「眠りを誘うホルモン」の分泌がカギを握っている

 眠っても疲れが取れない、夜中に何度も目が覚めてしまうという人は、睡眠が浅い傾向にあります。

 深い睡眠をとるうえで効果的なのは、食生活による睡眠の改善です。

 「食べ物って睡眠に影響があるの?」と意外に思われるかもしれませんが、食べ物と睡眠には密接な関係性があることがわかっています。

 なぜなら、ぐっすり眠るためには「トリプトファン」という栄養素が欠かせないからです。

 そもそも睡眠の質を高めるには「眠りを誘うホルモン」ともいわれている「メラトニン」の分泌がカギとなりますが、このメラトニンの材料となる成分が、トリプトファンです。

 トリプトファンとは、牛乳から発見されたアミノ酸で、体内では生成できず、食品からしか摂取できません。

 トリプトファンは体内に入ると自律神経の働きを活性化させ、心のバランスを整える「セロトニン」というホルモンに変わります。そして、日中に体内で分泌されたセロトニンは、夜になるとメラトニンに変化します。

 つまり、メラトニンの分泌を高めるためには、セロトニンが昼までにしっかり分泌されていることが大切です。そのためにも、朝からしっかりとトリプトファンを摂取することが重要になります。

■トリプトファンが多く含まれる食材

 それでは、トリプトファンが多く含まれる食材をご紹介します。

 ●豆腐や納豆などの大豆製品

●かつお、まぐろ、牛肉などのタンパク源

●チーズや牛乳などの乳製品

●卵やナッツ類、バナナなど

 ちなみにトリプトファンはインスリンによって脳へと運ばれるので、白米などの炭水化物と一緒に摂るのがおすすめです。

 焼き鮭、納豆、白米、みそ汁といった和食の朝ごはんは、ぐっすり眠るうえでは理想的な食事といえます。洋食ならば、ベーコンエッグ、チーズトースト、ヨーグルトといった乳製品をしっかりと摂れるメニューもおすすめです。

 私が特におすすめしたいのは、「蒸し大豆」。スーパーで100円ほどで購入できます。

 蒸し大豆は、水を加えることなく蒸しているので、栄養素がしっかりと保たれています。さらにはレトルトパウチのかたちで売られているものが多いので、袋の上から直接つぶして使えたりと、調理するうえでもとても便利です。後述する「ぐっすりスープの素」でも、この蒸し大豆を使います。

 また、睡眠の質を上げてくれる栄養素は、トリプトファンだけではありません。

 チョコレートのCMなどでも知られる「GABA(ギャバ)」は、心身をリラックスさせる作用があり、不眠の改善に効果が期待できます。

■いい睡眠は、いい朝食から

 GABAの成分はγ-アミノ酪酸というアミノ酸の一種で、ストレスを軽減する機能や、血圧を下げる効果などが報告されています。GABAは血液脳関門を通過できないので効かないのではという議論もありますが、腸脳相関によって脳内の受容体感受性が上がったり、血圧低下作用を通して睡眠を促したりする可能性があります。

 また、「チロシン」というアミノ酸も、睡眠を助けてくれる成分です。

 チロシンは気分を向上させるドーパミンや、やる気ホルモン「アドレナリン」の原料となるため、「抗うつ」の作用があります。また、慢性的なストレスや疲労を和らげる効果も期待できます。ちなみに、「蒸し大豆」にはこのチロシンも含まれています。

 睡眠に大切な栄養素はお伝えしたとおりですが、実は、時間帯によってもおすすめの栄養素が異なります。

 まず朝食では、メラトニンの材料となるトリプトファン、GABAをしっかりと摂取しておくことが大切です。手軽さからみそ汁はとてもおすすめのメニューです。

 昼食では、炭水化物を控えめにして、タンパク質や食物繊維を多く含む野菜などをしっかり摂ることが大切です。肉類などの高タンパク食材を摂るのにもっとも適しているのは、じつは昼食です。