人気キャラクターや地域ゆかりの力士も!107体のかかしが勢揃い 大雨被害のかかしはブラッシュアップされ蘇る【山形発】

AI要約

山形・尾花沢市の小さな集落が町おこしとして取り組む「かかし作り」。家族や地域の絆を深める取り組みで、107体のかかしが完成した。

西原地区では7割以上の世帯がかかし作りに参加し、「地域のシンボル」として役立っている。かかしには個々の思い出や趣向が凝らされている。

かかしは元々害獣対策から始まったが、今では地域を明るくする存在となっている。大雨で被害を受けたかかしもあり、修復作業を通じて地域住民の生きがいとなっている。

人気キャラクターや地域ゆかりの力士も!107体のかかしが勢揃い 大雨被害のかかしはブラッシュアップされ蘇る【山形発】

山形・尾花沢市の小さな集落が町おこしとして毎年取り組んでいる「かかし作り」。2024年は7月の大雨でかかしにも被害があったが、107体の力作が揃った。バリエーションに富んだかかしたちが地域の絆を深めている。

尾花沢市西原地区では、住民が6年前から「かかし作り」に取り組んでいる。

全75世帯のうち7割を超える世帯でかかし作りをしていて、「地域のシンボル」となっている。

大人2人と子ども1人が仲むつまじそうにしているかかしを作った人は「家族仲良くしているように作った。いつもけんかばっかりしてるから。孫たちが着なくなった服や、ばあさんが着なくなった服を使っている」と話す。

また、「思い出の法被。タンスを整理していたら出てきたので、『これもいいかなぁ』と思って」と、自分が40年前に花笠踊りの際に着ていた法被を使ってかかしにしたという人もいた。

2024年の西原地区のかかしは全部で107体。集落を歩いていても、人よりもかかかしに出会うことの方が多いほどだ。

畑にいる人に話を聞こうと記者が声を掛けたところ、そこに立っていたのは恐ろしい形相をしたかかしだった。

そばで農作業をしていた人は「タヌキとか来ると『うわー!』というような感じで、(怖い顔で)作った」と話し、このかかしを置いてからはタヌキが来ないという。

元々はタヌキやサルから農作物を守るためのかかしだが、今では地域を明るくする“大切な存在”となっている。

他にも人気アニメのキャラクターのかかしや、尾花沢市ゆかりの力士・琴櫻と取り組みをすることができるかかし、そして遠くから見ると人間と全く見分けがつかないかかしなど、地区の皆さんが趣向を凝らしたかかしがあちこちにある。

一方で、7月の大雨で被害を受けたかかしもあった。

あるお宅では、壊れてしまったかかしをいったん家の中に避難させ、修復作業を行っていた。

そして8月30日、約1カ月ぶりに元の場所へ帰ってきたかかしは、以前にも増して完成度が上がっていた。

このかかしを作った人は「(かかしを)十字にして作っていたが、ばっつり折れてしまって上半身が落ちてきた。だからうちに連れて帰って作り直した。かえって出来栄えがよくなった。楽しいね、来年のこと考えている。もう2年分くらい案がある。生きがいになったわ」と語った。

西原地区親睦会事務局の渡辺修さんは、この取り組みについて「話題が段々と少なくなって、子どもも少なくなって近所付き合いも希薄になっているが、かかしを通して話題が広がり会話も増えるし、集まる機会も増えている」と話す。

地域の絆を深める西原地区のかかしたち。10月半ばごろまで誰でも見ることができる。

(さくらんぼテレビ)