米国内で販売中のダークチョコレート製品から鉛を含む重金属が検出?!安全に食べるにはどうしたら?

AI要約

米国内の多くのダークチョコレート製品に有害な重金属が含まれていることが研究で発表された。

鉛やカドミウムが長期摂取で健康に深刻な影響を与える可能性があり、特に子供や妊婦にリスクがある。

摂取量を節度に保ち、バランスの取れた食事を心がけることが重要。

米国内で販売中のダークチョコレート製品から鉛を含む重金属が検出?!安全に食べるにはどうしたら?

検査されたチョコレート製品のほぼ半数に、危険なレベルの鉛が含まれていることがわかった。

最近の研究により、アメリカ国内で販売されている多くのダークチョコレート製品に鉛やカドミウムといった有害な重金属が含まれていることが明らかになった。この調査はジョージ・ワシントン大学の研究チームによって行われ、結果は科学雑誌『Frontiers in Nutrition』に掲載された。調査対象はアマゾン、GNC、ホールフーズマーケットなどで販売されている70種類以上のダークチョコレートで、2014年から2022年にかけてサンプリングが実施されたが、具体的な製品名や製造業者名は公開されていない。

■調査対象の約半数のダークチョコレートに基準値を超える鉛が含まれていた

研究によると、調査対象の約43%の製品がカリフォルニア州の法的基準を超える鉛を含んでおり、35%の製品がカドミウムの許容量を超えていることがわかった。鉛やカドミウムは長期間にわたって摂取することで健康に深刻な影響を与える可能性がある。具体的には、チョコレートのサンプル中の鉛の量が1日あたり最大3.316マイクログラムに達し、カリフォルニア州で許可されている最大量0.5マイクログラムを大幅に超えていたことが報告されている。また、カドミウムは1日あたり最大14.12マイクログラム含まれており、これも基準値である4.1マイクログラムを超えていた。

鉛は神経系や腎臓にダメージを与えることが知られており、特に子どもや妊婦にとっては少量の摂取でも健康に深刻な影響を及ぼすリスクがある。カドミウムは発がん性物質としても指摘されており、長期間の摂取は健康に対するリスクを高めるとされている。これらの重金属は体内に蓄積されやすく、慢性的な健康問題を引き起こす可能性があるため、注意が必要だ。

■混入経路は土壌から?

研究者たちは、これらの重金属がチョコレートにどの段階で混入したのかについて明確にしていないが、カドミウムは主に土壌からカカオ植物が吸収するため、カカオ豆に自然に含まれている可能性が高いと考えられている。一方、鉛は収穫や乾燥、発酵の過程で混入する可能性があるとされている。また、有機(オーガニック)認証を受けた製品でも高いレベルの鉛やカドミウムが検出されており、有機食品が必ずしも安全であるとは限らないことが示唆されている。有機農業でも土壌や水質の汚染が完全に除去されるわけではない。

■節度を持った摂取量を心がけよう

ダークチョコレートはその豊かな風味と健康効果で人気があるが、重金属のリスクを考慮すると、日常的に大量に摂取することは避けた方が良いだろう。研究チームは「日々の摂取量を制限することで、重金属への曝露を減らすことができる」と述べており、1日あたり約28グラムに抑えることを推奨している。この量は、通常のチョコレートの一片から数片に相当するがが、過剰摂取を防ぐためには意識的に量を調節することが大切だ。

さらに、ダークチョコレートだけでなく、私たちが日常的に摂取する食品には重金属が含まれている可能性がある。食事全体のバランスが重要であり、多様な食事を心がけることが健康維持には欠かせない。野菜や果物、穀物など、さまざまな食品を取り入れることで、重金属の摂取リスクを分散させることができる。

出典:

Study finds heavy metals in many dark chocolate products in the USHeavy metals, including lead, found in many dark chocolate bars, research shows

Scientists Keep Finding Heavy Metals in Dark Chocolate. Should You Worry?

文/山口華恵