地方出身の友人が「田舎じゃ野焼きは当たり前だよ」と言っていましたが違法ですよね? 罰金は発生しないのですか?

AI要約

野焼きは法律で禁止されており、環境への影響や健康リスクがあるために行われていない。

野焼きは有害物質を発生させ、近隣住民に迷惑をかけるだけでなく、大気汚染や火災の原因にもなるため、違法とされている。

代替方法としては、生ゴミや農業残渣の堆肥化や無煙炭化器の使用が有効である。

地方出身の友人が「田舎じゃ野焼きは当たり前だよ」と言っていましたが違法ですよね? 罰金は発生しないのですか?

高齢者の方の場合、野焼きが当たり前だと思っている方もいるかもしれませんが、現代では野焼きは法律で禁止されている行為です。

今回は、野焼きがなぜ違法なのかについて詳しく解説します。

野焼きとは、家庭や事業所から出たゴミを庭や空き地に置かれたドラム缶やブロックで囲んだ焼却炉を使って屋外で焼却することを指します。

野焼きは煙や悪臭によるトラブルや生活環境の悪化を引き起こすだけでなく、低温での焼却によりダイオキシン類などの有害物質が発生し、人体に悪影響を及ぼすことがあるといわれています。また、火災や大気汚染の原因にもなるため、注意が必要です。

野焼きは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の第16条の2により、原則として禁止です。この法律に違反して野焼きを行った場合、第25条第15号によって「五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」される可能性があります。

ただし、災害などの復旧のため必要な焼却や、伝統行事など際に必要な焼却、農業や林業、漁業などを営むための焼却など、例外的に認められているケースもあるため、一概にはいえません。

■野焼きが原則禁止の理由

野焼きは、「ダイオキシン類の排出抑制」と「廃棄物の適正処理」の観点から、基本的に禁止されている行為です。

野焼きによって「煙で咳き込む」「煙のにおいが洗濯物につくため干せない」「窓を開けられない」といった近隣住民への迷惑を引き起こすだけでなく、発がん性の高い毒性物質を排出することで環境を汚染してしまう場合もあります。

人間の健康や生態系に悪影響を及ぼす「有機塩素化合物」が発生する可能性もあります。このため、野焼きは住民の生活環境や健康を守るために、原則として禁止となっているのです。

ここでは、野焼きの代替方法を2つご紹介します。

■堆肥化

生ゴミや農業残渣(作物のツルや茎など)はコンポストで堆肥化するのもよいでしょう。有機物を土壌に戻すことができ、土壌の肥沃度を向上させられる可能性があります。

■無煙炭化器の使用

「無煙炭化器」は、煙を出さずに農業ゴミを燃やすのに適しているといわれています。この装置は、煙を出さずに高温で一気に燃やすことができ、出来上がった炭は土壌改良材として利用できます。