胸やけや胃腸の不調の救世主「安中散」【薬剤師が教える漢方薬辞典】

AI要約

安中散は、胃もたれや消化不良、お腹の張り、食後の下痢などを改善する漢方薬です。効能・効果や基本の飲み方を解説します。

安中散が向いている方の体質や悩みを3つご紹介します。痩せ型でお腹の筋肉が緩みやすく胃腸の弱い方、胸やけや吐き気、食欲不振に悩んでいる方、体力中等度以下の方。

安中散は、体力に自信がない方やストレス性の胃腸の不調に適した漢方薬で、生薬の組み合わせが効果的に胃腸の症状を改善します。

胸やけや胃腸の不調の救世主「安中散」【薬剤師が教える漢方薬辞典】

「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。

今回のテーマは、「安中散(あんちゅうさん)」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、碇純子さんに教えてもらいました。

安中散が向いている方の体質や悩みを3つご紹介します。

1.痩せ型でお腹の筋肉が緩みやすく胃腸の弱い方

ストレスや体の冷えが原因で、胃痛や胃もたれなど胃腸の不調に悩んでいる方におすすめの漢方薬です。

胃を温めて、痛みや胃もたれなどの症状の改善に働きかけます。冷えに病んでいる方、疲れやすい方、痩せ型の方にもおすすめです。

2.胸やけや吐き気、食欲不振に悩んでいる方

胸やけや吐き気、食欲不振、げっぷ、嘔吐などに悩んでいる方にもおすすめの漢方薬です。

胃酸を中和する作用があり、胃への刺激を緩和し、胸やけや吐き気などの症状の改善に働きかけます。

3.体力中等度以下の方

安中散は、体力に自信がない方にも適した漢方薬です。

体力とは、病気への抵抗力(いわゆる免疫力のレベル)や、現在の体力の状態などを目安にしています。安中散の目安は中等度以下のため、体力に自信がなく疲れやすい方にも用いられる漢方薬です。

安中散とはどのような漢方薬なのか、効能・効果や基本の飲み方を解説します。

1.効能・効果

安中散は、胃もたれや消化不良、お腹の張り、食後の下痢などを改善する漢方薬です。桂皮(けいひ)、延胡索(えんごさく)、牡蛎(ぼれい)、茴香(ういきょう)、甘草(かんぞう)、縮砂(しゅくしゃ)、良姜(りょうきょう)の7種類の生薬から構成されています。

それぞれ、延胡索は胃の痛みを鎮める作用、牡蛎は胃酸を中和させる作用、甘草は炎症を緩和する作用、桂皮・良姜・縮砂・茴香は胃を元気にする健胃作用が期待される生薬です。

胃を温め胃酸を中和することで、様々な胃腸の不調に働きかけます。とくに、ストレス性の胃腸の不調に対して効果が期待できます。

2.基本の飲み方

安中散は、食前(食事の約30分前)または食間(食事から約2時間後の空腹時)に水やぬるま湯で飲んでください。

飲み忘れた場合は、食後や気づいたときに1回分飲んで問題ありません。しかし、次の服用まで6時間以上空けるよう注意しましょう。

次の服用まで時間が短いときは1回分を飛ばしてください。2回分以上をまとめて服用してはいけません。用法用量を守って服用してください。