社長の収入は何によって決定されるの? 会社の売上の何割が収入になる?

AI要約

社長の収入の決定要素やルールについて詳しく解説している。

社長の報酬は会社の利益や規模に応じて決まり、不当に高額な報酬は問題視される。

役員報酬の適切な設定が、会社の法人税支払いなどに影響する仕組みがある。

社長の収入は何によって決定されるの? 会社の売上の何割が収入になる?

社長の収入って一体いくらくらいなのだろう、と 疑問に思ったことはありませんか。社長の収入は、社長自身が自由に決められるわけではありません。売上や利益はもちろん、さまざまな要素が複雑に絡み合い、最終的に決定されるのです。

今回は、社長の収入決定の仕組みについて、詳しく掘り下げていきましょう。

国税庁による令和4年度分民間給与の実態調査結果によると、企業規模ごとの役員平均報酬は表1の通りです。

表1

表は国税庁「令和4年度分 民間給与の実態調査結果」業規模別及び給与階級別の総括表を基に筆者作成

企業の規模が大きくなるにつれて、役員の平均給与額も増加しています。資本金が2000万円未満の企業と比べると、資本金が10億円以上の企業における役員の平均給与額は約2.7倍です。表1から、企業の収益力や財務状況が良好であるほど、高い報酬が支払われる傾向があることが分かります。

■社長の報酬は会社の利益の何割になるのか

役員報酬は、会社の利益とは直接関係なく、自由に設定することが可能です。したがって、利益の何割という決まりもありません。

しかし、あまりにも高額な役員報酬は、税務調査の対象となる可能性があります。役員報酬を不当に高額に設定することで、会社の利益を圧縮し、法人税を回避しようとする行為を防ぐためです。また、株主や従業員から反発を受ける可能性も高くなります。

役員報酬は、定款に明記されていない場合、株主総会で決定します。設立時に自分が100%の株主である場合、自分で決めることが可能です。しかし、雇われ社長の場合は、会社の規定に従う必要があります。役員報酬額の決め方は大きく分けて以下の2つです。

・毎月同じ金額を支給する(定期同額):変更する場合は、期首から3ヶ月以内に行うこと。

・会社設立後3ヶ月以内に報酬額を決めること

これらのルールに従わずに役員報酬を変更すると、会社の損金(経費)として認められません。例えば、予想を上回る利益が出たからといって、すぐに役員報酬を引き上げることはできません。

損金として認められない場合、法人税等の支払いが増え、会社の出費が増えることになります。適切に支払われた役員報酬は損金として扱われるため、損金が大きくなれば会社が支払う法人税等は少なくなります。

しかし、利益に応じて自由に報酬を変えることができると、本来支払うべき法人税等が不当に低く抑えられる可能性があるのです。したがって、役員報酬には一定のルールが設けられており、不当な利益調整を防ぐ役割を果たしています。