【日経平均株価考察】米株とともに下げ止まったように思えるが楽観視はできない

AI要約

2024年8月9日、東京株式市場では日経平均株価が前日比193円85銭高の3万5025円00銭で取引を終え、円相場の円安・ドル高傾向もあり輸出関連株も買われた。しかし、3連休前の持ち高調整や利益確定売りも見られた。

今週は米国の経済指標の発表とイランによるイスラエル攻撃の観測が不安要素となり、投資家は買い控え姿勢を示している。更に、ダウ平均が8月に入り大きく下落し、不安要素は依然高い状態である。

日本では7月末の金融政策会合で日銀が追加利上げと引き締め策を決定し、外国為替市場は乱高下。夏休み期間中の流動性低下に伴い、市場のボラティリティも高まりやすい。メルカリ、電通グループ、すかいらーくホールディングス、KADOKAWAなどが今週の決算発表を控えている。

【日経平均株価考察】米株とともに下げ止まったように思えるが楽観視はできない

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2024年8月9日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比193円85銭高の3万5025円00銭となりました。前日の米株式市場でダウ工業株30種平均、S&P500種株価指数、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)などがともに上昇したことを受けて、東京市場でも買われる展開となりました。足元で円相場が円安・ドル高傾向になっていることから、自動車、機械など輸出関連銘柄も買われました。ただし、3連休を前にしていることから、持ち高調整や利益確定売りも出て下げる場面もありました。

今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。12日の米株式市場でダウ平均は3営業日ぶりに反落し、前週末比140ドル53セント安の3万9357ドル01セントで終えています。今週は13日に7月の米卸売物価指数(PPI)、14日に7月の米CPI、15日に7月の米小売売上高が発表されます。これらを前に買い控えの動きとなりました。イランが近くイスラエルを攻撃するとの観測が高まっていることから地政学リスクも意識されました。

ダウ平均は8月に入って大きく下落しました。5日には3万8703ドルまで下げました。その後は、徐々に戻りつつあるものの、4万ドルを突破していた7月末時点に比べるとまだ上値の重い展開が続いています。「恐怖指数」とも呼ばれる米株の変動性指数(VIX)は一時、60を超えるほどでした。ここにきて30を割るまでになっていますが、それでも不安心理が高まった状態とされる20を上回っています。米株、日本株ともに、しばらくは乱高下が続くかもしれません。

日銀が7月末の金融政策決定会合で追加利上げと「量的引き締め」への具体策を決めました。外国為替市場では一時1ドル=141円60銭台まで上昇しましたが、その後は147円台後半を付けるなど乱高下しています。夏休みの影響で流動性が低くなっており、ボラティリティが大きくなりがちなので注意が必要です。

国内では今週、13日にメルカリ、14日に電通グループ、すかいらーくホールディングス、KADOKAWAなどが決算を発表します。