ウズベキスタン学生に日本語教育、日本企業の採用をサポート 官民で人材連携強化

AI要約

ウズベキスタンの若年世代と日本の人材難を解決すべく、日本企業との人材育成プロジェクトが始まる。日本語教育を受けた学生が日本企業に就職し、専門知識や生活サポートを受ける取り組みが進む。

大学に日本人教師を派遣し、日本企業での就職後もサポートを行う外国人材紹介サービス業の取り組みが進行中。連携が官民で強化される中、人材交流が活発化する。

ウズベキスタンは高い潜在成長力を持つ中、国力向上のため外国人材の育成に積極的。タシケント工科大学でも日本語教育が進むなど、日本との連携が一層深まっている。

ウズベキスタン学生に日本語教育、日本企業の採用をサポート 官民で人材連携強化

政府は中央アジア5カ国と人材育成などの分野で新たな協力に合意する方針だが、民間企業ではウズベキスタンの理系の学生に日本語教育し、日本の企業に高度外国人材として紹介する事業などが始まっている。資源が豊富な中央アジアとの結びつきをより強固にすることが課題になる中、若年世代が多いウズベキスタンと人材難が深刻化する日本との間で人材分野での連携強化が官民で進む。

外国人材紹介サービス業のポンテ(東京都豊島区)は今年からウズベキスタンの国立大学、タシケント工科大学に日本語の授業を設け、ここで学んだ学生に日本企業への就職を支援するプロジェクトを開始した。大学に日本人教師を派遣して集中的に教育し、日本企業に就職後も国内で日本の文化や慣習、ビジネス知識などの専門教育や生活サポートを一貫して請け負う。

「しっかりと日本を理解してもらう。送りっ放しにしないことが大切だ」とポンテの中村潤一社長は指摘する。企業がエージェント経由で海外から学生を集めても長続きしないケースは多いことなどを目の当たりにし、事業を立ち上げた。

プロジェクトの第1号の活用事例になったのが大東建託だ。年内に5人を採用し、入社後は施工管理業務に従事させ、最短で4年後に必要な国家資格を取得してもらう。国内社員と同様の給与や雇用条件とし、幹部候補として育てる。担当者は「国内で人材確保が困難な中、優秀な外国人材を確保する」と語る。

ウズベキスタンは平均年齢が29歳と若く、人口の65%以上が生産年齢人口で大きな潜在成長力を秘める。国力向上のため学生の進路の幅を広げたい同国はポンテの事業を国家プロジェクトとして認定。タシケント工科大学では9月から始まる新学期で日本語が1、2年生の必修科目になる。中村氏は「高度外国人材を日本に安定的に送るモデルのベースにしたい」と意気込みを語る。(万福博之)