【墓参りってどうしてもしなきゃダメですか?】親族うじゃうじゃの実家でくつろげない私、義実家でもグータラできる夫。「お盆の帰省は休みの浪費」と啓発したい、ある主婦の懊悩

AI要約

お盆休みにおける夫婦間の対立やストレスについて考察。

夫の長期休みと夫婦の帰省習慣による順子さんの悩み。

夫の理解不足から生じる順子さんの苦悩と今後の展望。

【墓参りってどうしてもしなきゃダメですか?】親族うじゃうじゃの実家でくつろげない私、義実家でもグータラできる夫。「お盆の帰省は休みの浪費」と啓発したい、ある主婦の懊悩

2024年のお盆は8月13日~16日。企業によっては1週間ほどが夏季休暇となるケースも少なくないだろう。大人の夏休みにあたるお盆休みへの思いは、その人の置かれた立場によりけり。楽しみにしている人もいれば、ストレスに感じて戦々恐々としている人もおられるかもしれない。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。

「ある調査によれば、7割程度の既婚女性が義実家への帰省に対し『疲れる』『行きたくない』と思っていることがわかったそうです。このことが原因で夫婦間のトラブルに発展するケースも考えられます。実家や義実家への帰省をストレスに感じる方は、夫婦間でよく相談をした上で、帰省イベントは挨拶や墓参り程度で済ませて宿泊はやめておく、遠方なら宿を取るなど、割り切ったやり方を実践することも必要なのではないでしょうか」

今回、話を聞いたのはお盆休みの過ごし方をめぐって夫婦間で対立し、夫への嫌悪感がこれまでにも増して高まってしまったという小石原順子さん(仮名)。「何か解決のアイデアをいただくきっかけにしたい」とのことで、現況を詳しく語ってくれた。

順子さんは中学1年の女児の母であり会社員でもある。今年のお盆休みについては夫の会社は1週間、順子さんの会社は暦どおりだという。

「実家と義実家に家族で1泊ずつするのが長年の習慣になっているのですが、私の夏休みは毎回帰省だけで終わってしまうのが常でした。例年夫の会社の方が休みが長くて私1人がへとへとになるパターン」

コロナ規制が緩和された今、また以前の「ダブル実家帰省」を強いられると思うと憂鬱過ぎると順子さんは語る。

「そもそも両家への宿泊を伴う帰省が、お盆と年末の年に2度も必要なのかという疑問を、折に触れて夫にぶつけているんですが、それを言い出してもすぐに却下されます。子どもの顔を見せるとか、お墓参り・親戚との顔合わせも必要だという大義名分には敵いません」

夫や義実家との関係をあまり悪くしたくない順子さんは、徹底して夫に抗うことができない。結局、今年も以前のようにダブル実家帰省をすることが決まった。

「ただ、見栄えのいいお土産をいくつも買いに走るのも現地で立ち働くのも私。お盆前から帰省のストレスは始まっているんです」

義実家はもとより、彼女自身の実家への帰省にも苦痛を感じているという順子さん。仮にどちらか選ばなければならないと言われたら、「実家」と答えるが......。

「世間では夫婦がそれぞれの実家に帰れば一件落着なんて言う人もいますが、夫婦別々の帰省を双方が納得すればいいですよ。でもうちはそんなの絶対無理。どう説得すればそんな提案を夫が受け入れてくれるのか、思いつかないんです」

夫が順子さんの苦痛を理解できないのは、夫自身は両家いずれの実家でも心からくつろぎ、有意義な休暇を楽しむことができるからだ、と順子さんは断言する。

後編では順子さんと順子さんの夫が、両家でどのように過ごし、順子さんがどのように感じているのかをレポートする。

取材/文:中小林亜紀