多彩なルート「日本百名山・赤城山」 夏の花咲く「2つの絶景コース」登山レポ

AI要約

赤城山は駒ケ岳・地蔵岳・荒山などからなる複成火山の総称で、日本百名山、関東百名山、上毛三山に数えられる名峰。

赤城山は初心者から中級者まで楽しめる豊富な登山コースを持ち、四季折々の魅力を満喫できる。

赤城山にはアクセス方法も豊富で、特に景観に優れた2つのコースがおすすめされている。

多彩なルート「日本百名山・赤城山」 夏の花咲く「2つの絶景コース」登山レポ

 赤城山(あかぎやま)は、標高1,828mの黒檜山(くろびさん)を主峰とする、駒ケ岳・地蔵岳・荒山(あらやま)などからなる複成火山の総称で、日本百名山、関東百名山、上毛三山(じょうもうさんざん)に数えられる名峰だ。一般的に、最も標高の高い黒檜山を指して「赤城山」と称することが多い。

 初心者から中級者まで楽しめる豊富な登山コースを持ち、四季折々の魅力を満喫できる。特に黒檜山からの眺望は素晴らしく、眼下のカルデラ湖・大沼(おおぬま・おの)から、関東平野や遠くの山々を見渡せる。

 人気の赤城山はアクセス方法も豊富だ。今回紹介するコースの拠点、カルデラ湖の大沼へは、車の場合、関越自動車道・赤城ICより約40分(約25)、北関東自動車道・伊勢崎(いせさき)ICより約60分(約38)で到着する。鉄道の場合は、JR前橋駅より路線バスに乗車し70分ほどで到着する。なお、直通バスが土・日・祝日限定で運行しているが、詳細は最新情報を確認してほしい。

 大沼を囲うように、美しい峰々が連なっている赤城山。豊富なコースの中で、自身の体力に合わせて選択できるが、今回は筆者がおすすめする景観に優れた2コースを紹介する。

 1つめは、大沼南側にそびえる地蔵岳。高天原(たかまがはら)を経由して地蔵岳を登頂し、周回コースを辿って大沼に戻ってくる道のりだ。登り始めから、道幅が狭く急な登りが続くが、天高原と地蔵岳の山頂からの景観が素晴らしく、苦労に見合う感動が得られるだろう。

 そして2つめは、「あかぎ広場駐車場」を出発し、駒ケ岳を経て赤城山塊の最高峰・黒檜山を巡る周回コース。下山後、駐車場まで戻る道中、大沼の湖畔を歩けるのも、このコースの魅力のひとつだ。

 大沼の南岸、春は桜の名所として知られる大沼弁天宮(おおぬまべんてんぐう)近くの「赤城山大洞(おおほら)バス停」からスタートだ。マイカーの場合は、無料で利用できてトイレも備わっている「県立赤城公園大洞駐車場」に駐車しよう。

 「至 地蔵岳」の看板が登山口の目印だ。登り始めから急な登り坂が続くので、焦っては体力を奪われてしまう。ゆっくりと足元を確かめ、ペースを保ちながら進もう。スタートからおよそ40分で高天原(たかまがはら・標高1,623m)に到着する。距離にしてわずか600mだが、急登のせいで疲労を感じることだろう。高天原では大沼と黒檜山の絶景を楽しみながら小休止できる。

 高天原まで来たら、目指す地蔵岳までは約15分だ。山頂には電波塔が立っており、遠くからでも視認できるので、よい目印になってくれる。地蔵岳の標高は1,674m、大沼やそこに浮かぶ赤城神社、背後にそびえる黒檜山まで見渡せる絶景だ。また、東側に見えるのは、小尾瀬と呼ばれる小さな湿原エリアである「覚満淵(かくまんぶち)」だ。

 ちなみに、大洞バス停から地蔵岳のコースは、登山アニメ「ヤマノススメ」でも登場したコースだ。アニメでは、ひなたとここなが急登に苦労しながらも登頂し、山頂で山コーヒーを楽しむ姿が描かれている。

 さて、地蔵岳からは、来た道を戻る選択肢もあるが、ぐるりと周回できるコースをおすすめしたい。方角的に小沼(こぬま・この)を眺めながら下山することができ、背の高い笹の間をすり抜けるように歩く道も楽しい。いずれの帰路でも、大洞バス停まで45分~55分で戻ることができる。

【赤城山大洞駐車場から地蔵岳の周回コース 所要時間】

赤城山大洞場駐車(0:00)~高天原(0:45)~地蔵岳(1:00)~赤城山大洞駐車場(1:50)

歩行距離:距離2.8km

累積標高差:約318m

往復所要時間目安:3時間50分