タワマン高層階に異変…夏の酷暑で南と西向きは“灼熱地獄”に、北向きが見直される

AI要約

タワーマンションの高層階での生活について述べられており、猛暑の中でエアコンを全開にしなければ暮らせない状況が語られている。

部屋の方角がどのように住人の生活に影響を与えるか、特に眺望の重要性が指摘されている。

最近のタワーマンションでは眺望重視の方向性が強く、将来の開発なども考慮して部屋の選択が行われている。

タワマン高層階に異変…夏の酷暑で南と西向きは“灼熱地獄”に、北向きが見直される

「カーテンを閉め切ってエアコンを全開にしないと、とても暮らせない」

 酷暑で住人からこんな声が聞かれるタワマン高層階──。連日35度前後の最高気温を記録する東京都心では、良好な景観と充実した設備でタワーマンションが人気だが……。

「今どきのタワマンの住戸は遮熱タイプの複層ガラスが窓にはめ込まれていますが、周りには高い建物がなく太陽の光が直接差し込むので、全く関係ないですね。特にうちの場合、リビング側にベランダがなくダイレクトウインドーなので、眺望は抜群ですが、日差しが強すぎて遮光カーテンをせずに生活できません」(30代男性)

 南向きの部屋は日中の日差しが強く、西向きも夕方の西日がキツイ。そのため、日当たりが悪いと避けられてきた北向きが見直されつつある。

「マンションは、南→東→西→北の順で価格が下がっていくように、北向きは洗濯物が乾きにくく、湿気が強くてカビやすい上に、日が差し込まないので冬は寒くて暗く、以前は不人気でした。しかし、タワマンが一般化してから、その様相は大きく変わりました」(不動産アナリスト・長谷川高氏)

■価値を左右する部屋からの眺め

 方角も重要だが、タワマンの場合、部屋から何が見えるかで価値が決まるという。

「例えば、東京の湾岸エリアのお台場や有明のタワマンでは、東京タワーなど“ザ・東京”の夜景が望める北向きの部屋の価格が、南向きの部屋と変わらないといいます。このように階層だけでなく、眺望も重視され価格が決まっていきます」(長谷川高氏)

 若い世代や外国人などタワマン購入層は、かつてほど方角を気にしなくなっているという。

「近年の分譲マンションはその多くが24時間換気になっているので、高気密・高断熱でもカビにくくなっています。日差しの強さや家具の焼けを避けるのであれば、北向き。眺望優先なら、好みの眺めが得られる向きの部屋を選ぶ傾向にあるようです。ただ、近隣に高層マンションが建設可能な空き地や古い工場などがある場合、せっかく見晴らしのいい部屋を購入できても、将来、同規模のタワマンができて眺望が遮られるリスクもあります」(長谷川高氏)

 夏の酷暑が、マンションのトレンドにも影響を与えている。