神奈川、埼玉、千葉エリアの新築マンション平均販売価格から分析した「東京から近くてコスパのいい街」

AI要約

東京都内の新築マンション価格の高騰や東京都から隣接県への移動人口増加の影響についての分析結果をまとめました。

神奈川県の新築マンションのm2単価1位は横浜市中区で、価格は高水準だが厚木市でも急上昇していることが報告されています。

埼玉県、千葉県のデータについても後編で分析が行われ、コストパフォーマンスの良いエリアが特定される予定です。

神奈川、埼玉、千葉エリアの新築マンション平均販売価格から分析した「東京から近くてコスパのいい街」

昨今、首都圏では不動産価格の高騰が続いており、特に東京都内の新築マンションは平均価格1億円を超えている。また、価格上昇と住宅ローン金利の増加などを背景に、東京都の移動人口に関するデータでは、東京都のファミリーや子育て世代が隣接する神奈川、埼玉、千葉の3県へ転出する傾向がみられる。

そこで不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」はこのほど、子育て世代をはじめ、よりコストパフォーマンスの良い県に住みたいと考える方に向けて、神奈川県、千葉県、埼玉県における新築マンションの平均価格やm2単価に着目し、比較調査をした。

その結果を、住宅市況の分析を行うLIFULL HOME’S総研チーフアナリストの中山登志朗氏の見解とあわせて紹介する。

神奈川県の新築マンションの平均m2単価1位は「横浜市中区」の173.0万円(前期比112.4%)となった。

2位は「厚木市」の132.8万円(同184.9%)、3位は「川崎市中原区」の132.7万円(同138.5%)とm2単価130万円台が続く。

神奈川県の平均m2単価は95.9万円だが、TOP10はm2単価100万円以上の横浜市内の区を中心に「相模原市都筑区」「逗子市」がランクインしている。

■LIFULL HOME’S総研 中山の考察~横浜市&川崎市中心部の価格がさらに上昇、厚木市でも億ション分譲

新築マンションの価格上昇率が7.5%となっている神奈川県内でも、その中心エリアである横浜市中区が平均m2単価173.0万円(平均価格1億2,300万円)と、県内で最も高額かつ東京23区とほぼ同じ価格水準で分譲されていることが分かりました。

横浜市では中区を筆頭に西区、神奈川区など横浜駅の周辺にタワーマンションが数多く分譲されており、平均m2単価も120万円前後と高水準です。

2番目に高額だったのは厚木市で、平均m2単価は132.8万円(同1億798億円)に急上昇しています。前年同期比では84.9%と2倍に迫る価格に上昇していますが、これは本厚木駅徒歩1分に1億円超住戸を含む総戸数238戸の分譲が実施されているためです。

3番目は川崎市中原区の132.7万円(同8,038万円)でエリアの中心地である武蔵小杉での開発が活性化しています。

神奈川県内でm2単価が100万円を超えているのは前年から3増えて14自治体&行政区となり、神奈川県平均m2単価は95.9万円ですから、すでに東京都だけでなく神奈川県内でも、高過ぎて購入しにくいとされる価格帯に突入しているエリアが増え始めている状況です。

また横浜市都筑区の港北ニュータウンでも新築マンションの開発が活性化しており、東京都心部の価格上昇の影響が神奈川県方面へも波及している状況が浮き彫りになっています。

後編では、埼玉県、千葉県のデータを分析し、現在のところ、より割安により広い物件を求めるユーザーには適しているエリアが多いのが千葉県であると言う結果を導き出していく。

<調査概要>

集計対象:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県内で分譲された新築マンションを行政区単位で集計

集計期間:2023年1~5月および2024年1月~5月を比較し対前期比を算出

集計条件:専有面積30m2未満の住戸および平均専有面積が30m2未満の分譲期は除外

集計方法:各マンションにつき、分譲期ごとに最高価格/面積と最低価格/面積を抽出し平均値を算出

出典元:LIFULL HOME’S

構成/こじへい