トマトは冷蔵保存ではなくむしろ冷凍すべき!その理由と活用法を野菜ソムリエが解説

AI要約

トマトを冷凍すると栄養価や味わいが向上し、保存期間も延びます。

冷凍することでリコピンの吸収がしやすくなり、旨味も増します。

冷凍前にトマトを切ってポリ袋に入れ、トレイを使用して冷凍すると効果的です。

トマトは冷蔵保存ではなくむしろ冷凍すべき!その理由と活用法を野菜ソムリエが解説

夏の食卓で大活躍するトマト。安いときに多めに買っておきたいけど、生のままでは短期間しか保存できないですよね。そんなときは冷凍がおすすめ!しかも冷凍することで、栄養面でも味わいの面でもお得なことがあるのです。

今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、トマトを冷凍すべき理由とコツを教えてもらいます。

トマトは生のまま保存していると、だんだん甘みが減っていき、また栄養価も下がってきてしまいます。買った時点での熟し度合いにもよりますが、すでにかなり熟しているトマトだと2~3日、固めのトマトでも10日くらいが限度で、もちろんその間にも状態は次第に悪くなっていきます。

さらに栄養吸収の面にも難点が。トマトに含まれる栄養素としてリコピンがよく知られていますが、リコピンは強固な細胞壁(さいぼうへき)という壁のような組織に守られていて、そのまま食べてもあまり吸収がよくありません。

しかし冷凍することによって、細胞の中の水分が膨張して細胞壁を壊してくれるので、吸収しやすくなるのです。

また、トマトの内部にはゼリー質の部分がありますが、冷凍することによってゼリー質の部分の旨味が果肉の部分に移って、全体的に旨味を感じやすくなるという利点もあります。

トマトを切って保存する場合は、洗ってから好きな切り方で切って、水分をふき取ってからジッパーつきポリ袋に入れて保存してください。筆者の場合はざく切りが使いやすいのでひとくちサイズのざく切りにしていますが、家庭ごとに使い勝手が異なると思いますので、1/4カットや粗みじん切りなど好みの切り方でOKです。

冷凍庫に入れるときのポイントとしては、ポリ袋内のトマトどうしができるだけ重ならないようにすること。とはいっても、せっかく丁寧にしまったポリ袋が冷凍庫内でズレたり折れ曲がったりすることもあるので、おすすめは金属のトレイを使うことです。トレイに平らに載せて冷凍庫に入れると、多少傾いてもトマトどうしが重なりにくく、また金属の上に載せることで冷凍時間が短縮され保存性が高まります。

冷凍トマトを使う場合は、解凍の必要はありません。袋のままパキッと折って使いたいぶんだけ取り出し、凍ったままスープや煮込み料理に入れれば短時間で火がとおって、料理の時短にもつながります。

保存期間は冷凍前の状態によって異なり、やわらかめのトマトなら2週間程度、固めなら1カ月程度です。