池江璃花子選手の母が振り返る「なぜ、璃花子が14歳で日本代表になれたのか」

AI要約

池江美由紀さんは、水泳の池江璃花子選手の母であり、幼児教育教室を経営しており、子どもの“人の話を聞く力”の重要性を説く。

教室では、子どもに“お約束”を守らせ、人の話を聞く姿勢を教えることに重点を置いている。

“泣く”“ぐずる”などの行動に振り回されず、約束を守れるよう促すことが子どもの成長にとって重要だと強調する。

池江璃花子選手の母が振り返る「なぜ、璃花子が14歳で日本代表になれたのか」

水泳の池江璃花子選手の母であり、幼児教育教室の経営、講師として活動している池江美由紀さんは、子どもの「人の話を聞く力」を育てることが重要と説きます。池江選手が14歳で日本代表になれたのは、幼い頃から「聞く力」を養っていたから――そう振り返ります。

※本稿は、池江美由紀著『子どもの心と才能が育つ【池江式】魔法の言葉』(PHP研究所))を一部抜粋・編集したものです。

「人の話を聞く力」─―大人にとっても大事なことですが、じつはこれがあるかないかで、子どもの能力の伸びが大きく変わってくるのではないかと思います。

私の教室では、0歳、1歳の子どもでも、レッスンのときはちゃんと椅子に座って講師の話を聞くことが「お約束」です。

もし、レッスンの途中で勝手に立ち歩いたり、まったく関係のないことをやり始めたりするなど、注意されても「お約束」が守れないときは、子どもだけいったん教室の外に出します。

これは、約束を守らない罰として、外に出すのではありません。

●約束を守れないなら外で待つ

●自分のしたいことは教室の外でする

●なかに入りたければ、椅子に座って先生のお話を聞く

選ぶのは子ども自身であることと、やりたいことをするためにどう振る舞えばよいのかを教えているのです。これが身につくと、どんな小さな子でも、ちゃんと人の話を聞けるようになります。

人の話を聞くべきときに、子どもがぐずったり泣いたりして話を聞かないというのは、子どもが主導権を握ろうとしている行為です。

まわりの大人がそれに負けて子どもの要求をのむと、子どもは、「泣いたりぐずったりすれば、大人は自分の思いどおりになるんだ」と学びます。

ですから、人の話を聞ける子に育てるためには、親はまず子どもが泣いたりぐずったりすることに振り回されないことが大切です。子どもが「泣く」「ぐずる」という手段を使っている間は、取り合わないようにします。

「泣く」「ぐずる」をやめて落ち着いたら、そこで初めて、「じゃあ、○○しようか」といって前に進みます。

「人の話を聞ける」ことは、人の成長にとって、とくに子どもの成長にとっては、大変大きな要素だと思います。同じレッスンを受けても、コーチや監督から同じ指導を受けても、話をちゃんと聞ける子は、話の内容をどんどん吸収していきます。

璃花子は3歳で水泳を始め、5歳からはレース形式の記録会に参加し始めました。はじめは距離を泳ぐことだけで必死で、非常に長い時間がかかりましたが、短い期間でみるみるタイムを縮めていきました。

なぜ、小さい子どもが、こんなに早く上達できたのか。練習量、本人の努力や資質もあったでしょう。加えて、璃花子には、「聞く力」が育っていたからだと私は思っています。

璃花子は、私の教室で、講師の話を座って聞くという指導をずっと受けていて、それが身についていました。だから、コーチの言うことをしっかり聞いて、それを実践できたのだと思います。

【ポイント】

教室内で自分の好き勝手に振る舞いたいなら、レッスンが終わるまで外で待つ。教室に入りたければ、椅子に座って先生のお話を聞く、を子ども自身に選ばせる。