その正体は「怖がり」!?一田憲子さんが考える「高圧的な人」に対する有効的な話し方とは?

AI要約

人と話すことに不自由さを感じる人におすすめの一田憲子さんの著書『すべて話し方次第』から、「気難しい人、高圧的な人」との話し方について触れた部分を紹介。

気難しい人や高圧的な人に出会ったときは、相手を丸ごと受け入れることが効果的であり、傾聴する姿勢を大切にすることが重要。

一田さん自身のエピソードも交えながら、相手を受け入れることで心を開かせ、コミュニケーションを円滑にするポイントを示唆。

その正体は「怖がり」!?一田憲子さんが考える「高圧的な人」に対する有効的な話し方とは?

 自分の言いたいことをうまく言葉にできなかったり、特定の人の前だと緊張してトンチンカンなことを言ってしまったり、自分の発言が相手の気分を損ねたのではないかと心配になったり……人と話すときにこういった不自由さを感じてしまう人は多いのではないでしょうか。

 筆者も人と話すことには苦手意識を持っていて、社会人生活を通して話し方はそれなりに上達したという実感はありますが、苦手意識の克服までは到達できずにいます。若い頃から伸び伸びと人と話せていたら、もっと良い人生を歩めたのではないか? と未練がましく思うこともしばしばです。

ここまでではないにせよ、人と話すことに多少の不自由さを覚えている人がいたら一度目を通していただきたいのが、暮らし系雑誌「暮らしのおへそ」の編集ディレクターとしても知られる文筆家・一田憲子さんの著書『すべて話し方次第』です。

本書には一田さんが見出した人間関係を良くする話し方のコツや、対人コミュニケーションの本質などがつづられていますが、「社交的なほうではなく、友達も少ないし、みんなとワイワイおしゃべりを楽しむ、というタイプの人間ではない」と自身のことを分析している一田さんだけに、苦手意識を持った人の気持ちに寄り添って書かれているのが印象的でした。「〇〇であるべき」といった圧もないため、「ダメな自分」を突きつけられて読むのを途中で断念することもないでしょう。

そんな本書から、今回は「気難しい人、高圧的な人」との話し方について触れた部分を抜粋したいと思います!

 出会った人が、とても気難しかったり、高圧的な態度をとるときがあります。そんなとき、「何、この人?」「変な人だなあ」と思うと、どうしてもそれが態度に出て、眉間にしわが寄ったり、逃げ腰になったり、批判的な受け答えになりがち。それだと余計に相手が意固地になってしまいます。私もこっそり負けず嫌いなので、そんな人に出会うと、「どうして、私がこんなこと言われなくちゃいけないのよ!」とプリプリしがちです。

 でも、何度かそんな人に出会って学んだことは、はね除けたり張り合ったりするのではなく、まずは「イヤな奴」を丸ごと受け止めることがいちばん有効、ということでした。

程度にもよりますが、たとえ理不尽だと思っても、まずは聞く。「そうですよね~」「なるほど~」とすべてを肯定しながら聞きます。まずは、相手を丸ごと受け入れてみる。

あるベテランスタイリストさんを取材させていただいたことがあります。プライドが高くて、自信満々。「スタジオはここじゃなくちゃ」とか「カメラはあの人に頼みたい」など、わがまま放題。

「く~~~」と奥歯を嚙み締めながら、言われたことを全部聞き入れて、その人に丸ごと飲み込まれてみることにしました。ものすごく大変で、二度とあんな取材はやりたくないけれど、それでも撮影が終わったあと、近所のカフェで、笑顔で今までのキャリアについて、いろんなことを語ってくださいました。「ああ、心を開いてくれたんだなあ」と感無量でした。