「同じ失語症の人のために・・・」元アナウンサーが「話し方教室」を開講した思い
元MRTアナウンサーの樫元 洋さん(81歳)が、失語症になった後に「話し方教室」を開いて同じ症状の人を支援している。
樫元さんはMRTを退職後、脳出血で右半身まひとなり、失語症に苦しんだが、懸命にリハビリし言葉を取り戻した。
彼は同じ失語症に悩む人々の支えになりたいという思いから、教室を再開し、患者向けの教室も開講している。
MRT宮崎放送の元アナウンサーの樫元 洋 さん(81歳)。
樫元さんはMRTを退職後、言語機能が低下する失語症を患い、同じ境遇の人を支えようと「話し方教室」を開講しました。
樫元さんに思いを聞きました。
■局の顔として活躍したアナウンサー
「3つに合わせて読む」
宮崎市内にある住宅で開かれている「話し方教室」。講師を務めるのは、樫元 洋さん(81歳)です。
元MRTアナウンサーの樫元さん。
夕方のニュース番組『MRTニュースワイド』のほか、多くのラジオ番組やイベントの司会なども担当しました。
(記者)
「どうですか当時のMRT。どういう会社でした?」
(樫元 洋さん)
「面白かったですね。アナウンサーの仕事が好きでしたからね」
■脳出血で倒れ 右半身まひ、そして「失語症」に
2003年にMRTを退職したあとは、話す楽しさを伝えようと宮崎市の公民館で話し方教室を始めました。ところが…
(樫元 洋さん)
「言葉が言えない。私はアナウンサーだったが全然…アナウンサーの『ア』の字も言えなかった」
2009年、樫元さんは脳出血で倒れ、後遺症で右半身まひに。
さらに、話す・聞いて理解する・読む・書くことなどがスムーズにできなくなる失語症になったのです。
医師から完治は難しいと告げられましたが、樫元さんは懸命にリハビリし、言葉を発する力を徐々に取り戻しました。
(樫元 洋さん)
「(この写真は)電話リクエストですよ」
(記者)
「電話リクエスト?」
(樫元 洋さん)
「昔(ラジオ番組で)あったんですよ、大人気でした」
■同じ失語症に悩む人たちが少しでも明るく過ごせるきっかけに
その後、樫元さんは「話し方教室」を再開し、今年5月には同じ失語症の人たちの力になりたいと、患者向けの教室を開講しました。
(樫元 洋さん)
「やっぱりこれはだめだ…と思って(教室を)やめようと思ったが、失語症の人がいると思って、よし、失語症の(人の)ためにやろうと思っている」