電話は「かけた側が先に切る」のが正解…とは限らない【ビジネスマナー常識チェック】

AI要約

電話応対における基本的な流れと注意事項について紹介されています。電話をかける前の準備や名乗り方、取り次ぎ、都合の確認、用件の伝え方などが具体的に述べられています。

重要な点として、相手の都合を尊重することや、用件の復唱確認、終わりのあいさつの重要性が強調されています。

名指し人が不在の場合の対応方法も紹介されており、かけ直しのタイミングや伝言をお願いする際の注意点などが述べられています。

電話は「かけた側が先に切る」のが正解…とは限らない【ビジネスマナー常識チェック】

【それ間違いかも?ビジネスマナー常識チェック】#74

 電話応対編(2)

  ◇  ◇  ◇

 前回は、電話を取り巻く環境の変化や電話の特性についてお伝えしました。

 今回は実際に電話をかける際の注意事項と基本の流れを見ていきましょう。

▼電話をかけるとき

<ステップ1>準備

①相手の電話番号と名前の確認

 相手の会社名、所属部署、役職などを間違いのないように確認する。

②用件の確認

 必要な資料をそろえ、要点や話す順序をメモしておく。

③時間帯の確認

 企業の場合…始業直後や昼休みの時間、終業間際は避ける。

 一般のお客さまの場合…早朝、深夜、食事の時間帯は避ける。

<ステップ2>電話をかける

①名乗りとあいさつ

「私、ABC会社の佐藤と申します。いつもお世話になっております」

 第一声は、ゆっくり、はっきり、わかりやすくがポイント。

<ステップ3>取り次ぎ

「恐れ入りますが、総務課の田中さまはいらっしゃいますか」

 取り次いでくれる人に対して「恐れ入りますが」とクッション言葉を添える。

 名指し人の所属、名前を伝えて、取り次ぎをお願いする。

<ステップ4>都合を確認する

「ABC会社の佐藤でございます。いつもお世話になっております」

「〇〇の件でご確認したいことがあるのですが、ただ今、お時間よろしいでしょうか」

 名指し人につながったら、あらためて名乗り、あいさつをする。

 用件に入る前に、相手の都合を確認する一言を忘れずに。時間がかかりそうな場合は「〇〇の件で、ただ今、10分ほどお時間よろしいでしょうか」などと目安の時間を伝えるとよい。

<ステップ5>用件を述べる

 用件は、準備しておいた資料やメモを見ながら、簡潔にわかりやすく伝える。

<ステップ6>復唱確認する

 大事な点は復唱し、相手に正確に伝わっているかを確認する。

<ステップ7>終わりのあいさつ

「ありがとうございました」「失礼いたします」

 用件が終わったら、お礼とあいさつをしてから切る。

<ステップ8>受話器を置く

 電話は原則としてかけた側から先に切るが、相手が目上の人やお客さま、取引先の人であれば、先方が切るのを待つほうがよい場合もある。

 一方で、謝罪や何かをお願いする電話の場合は、こちらからかけたとしても、必ず相手が切ったのを確認してから受話器を置くようにする。

▼名指し人が不在の場合 

①こちらからかけ直す

「お戻りの時間は何時ごろになりそうでしょうか」

「では、〇時ごろもう一度こちらからかけ直します」

②伝言をお願いする

「お戻りになりましたら、〇〇の件で電話があったことをお伝えいただけますか」

(金森たかこ/マナー講師)