いい歳した大人が、まさかの……発達障害の夫の「おねだり」に赤面した漫画家が見つけた「自制」の教え方
発達障害の特性が強い人のなかには、自分の気持ちにブレーキがなかなか利かない人もいるようです。漫画家・野波ツナさんも、無遠慮に他人のものを欲しがる夫の行動に赤面した一人。人前では自重してほしいものですが、どのように伝えれば、気になる行動をする「あの人」にわかってもらえるでしょうか。新刊『発達障害・グレーゾーンのあの人の行動が変わる言い方・接し方事典』の取材のなかで野波さんが見つけた知恵を紹介します。
ある日、発達障害っぽい特性が強い「あの人」(ネコ)が、お土産を持って帰宅しました。友人からもらったものだと言いますが、それがパートナー(ウサギ)の心をかき乱すことになります。
気持ちを素直に表現できるのはいいことですが、「ストレートに出してはいけない気持ち」もあります。たとえば、どんなに欲しくても、大人なら届いたばかりのサクランボを露骨に「欲しい」と言うのはマナー違反。それが大人なら知っておくべき暗黙のルールです。
ところが暗黙のルールに疎く(うとく)、言葉を字義通りに受け取ってしまう「あの人」は、態度で〈欲しい〉とハッキリと表現したうえ、顰蹙(ひんしゅく)を買っているとは気づかないまま、相手がしぶしぶ差し出したものを喜んで受け取ってしまうことがあります。
あとから「こんなことがあった」と知らされて恥ずかしい思いをするのは家族のほう。
なんとか「自制」してほしいものですが、どうすればいいでしょうか。
こういうマナー無視に対しては、まずハッキリと「欲しがること自体がNG」だと伝えなければいけません。
そのうえで望ましい振る舞い方を丸暗記してもらうのがいちばん。そのほうが、「気を遣おう」「遠慮しよう」と伝えるよりも近道だと思います。
自制が必要な理由や「どのくらい我慢すればいいか」は状況によりさまざまです。「なぜ」ダメなのか、「何」をすればいいのか、どんな応じ方があるのか、具体的な場面に即して伝えるのも大切です。
ひとつの方法として、下のマンガのように伝えてみてください。小さい子がいる家庭であれば子どもに教えるかたちで、「よその家では遠慮するのがマナー。物欲しそうにする人は嫌われるよ」という話を子どもにすると同時に「あの人」に聞かせるのも効果があるかもしれません。