ネットで広がる「石丸伸二型コミュニケーション」、対話の機能不全がもたらす問題点

AI要約

石丸伸二氏が東京都知事選で2位に躍進し、言動が注目を集めている。

石丸氏の従来型コミュニケーションを否定するスタイルや発言により、議論が盛り上がっている。

石丸氏の言動による対話の消滅と従来型コミュニケーションの機能不全が経済やビジネスに与える影響について考察されている。

ネットで広がる「石丸伸二型コミュニケーション」、対話の機能不全がもたらす問題点

 東京都知事選で2位に躍進した石丸伸二氏の言動が良くも悪くも注目を集めている。従来型コミュニケーションを否定するかのようなスタイルは、実は石丸氏に特有というわけではなく、現代ネット社会における対話の消滅を象徴しているとも言える。従来型コミュニケーションの機能不全が経済やビジネスに与える影響について考察した。

 2024年7月7日に投開票が行われた東京都知事選において、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が165万以上の票を獲得して2位となった。一気に全国の注目を集めた石丸氏だったが、選挙後に出演したテレビ番組における発言が次々と波紋を呼び、全国的に石丸論が盛り上がっている状況だ。

 安芸高田市時代の石丸氏は、基本的に議会との対立構造をSNSでアピールして支持層を広げていくというスタイルであり、いわゆる対話型の政治家ではなかった。だが、こうした石丸氏の政治スタイルや本人のキャラクターなどがよく伝わっていなかったせいか、投開票当日に放送された女性タレントとのやり取りは、多くの人に衝撃を与えた。

 女性タレントからの質問に対し「前提が正しくない」と一蹴して逆質問を行うなど、会話がまったく噛み合わなかった。後日、別の番組に出演した石丸氏は、自身の対応に一部から批判が出ていることについて、「女、子どもに容赦をするっていうのは優しさじゃないと思っているから」「もうちょっと優しく言ってあげれば良かったのかな、ポンポンってやってあげる感じが良かった、でもそれ失礼ですよね」と、むしろ挑発的な反論を行った。

 さらに主張はエスカレートし、別の番組では少子化対策について「今の社会規範では無理」と前置きしつつも、「たとえば、一夫多妻制を導入するとか、遺伝子的に子どもを生み出すとかです」と放言。ネットを中心に大荒れの状況となっている。一方で、石丸氏の支持者は溜飲を下げているという状況であり、両者の溝はあまりにも深い。