中高年が「それな」「おk」と若作りLINEするのはアウト…若者から"イタい人"認定される人の根本的勘違い

AI要約

木原誠太郎さんによると、異世代間コミュニケーションは若手に迎合せず自分を貫くべきだという。ビジネスコミュニケーション手段は時代とともに大きく変化し、文字数が少なくなる傾向にある。

さらに、仕事でのLINE利用の賛否や現在のビジネスシーンでの使用状況について述べられている。コミュニケーション手段は進化し続ける。

Z世代では絵文字やスタンプよりも短い単語や文章が主流であり、独自の隠語やスラングが発達している。異なる世代間でのコミュニケーションにおいて、適切な言葉選びが重要である。

職場に新入社員が配属されると、時間の経過とともにコミュニケーションの取り方に悩む中高年世代が増え始める。『「人間関係」は性格と相性が9割』が話題の、ディグラム・ラボ代表の木原誠太郎さんは「へたに若い世代に迎合しないほうが、異世代間コミュニケーションはうまくいく」という──。(第4回/全4回)

■ビジネス・コミュニケーション手段の大変化

 時代の変遷とともに、常に新しいデバイスやガジェットが登場してきます。それに伴って、必然的に仕事で使うコミュニケーションツールも大きく変化していきます。

 50代以上の人にとっては、かつてビジネスでのやりとりは電話が主な手段でした。

 その後ポケベルを挟み、パソコンとインターネットが職場に普及していきました。40代なら、社会人になったときからメールが主流に。

 さらにスマホが普及したことで、今やどの世代でも、ビジネスシーンでメールに加えてSNSやチャットを活用するようになっています。

■仕事でLINEを使ってはいけない時代があった

 2011年に登場したLINE、2006年にローンチされ2010年ごろから急成長したTwitter(現X)、2008年に日本語版が公開されたFacebook、2010年に登場したInstagramなどは、最初は仲間内でのコミュニケーションツールでしたが、すぐに企業の公式アカウントが登場するようになっていきました。

 当初は、仕事でLINEを使うことに賛否両論が巻き起こったりしました。ところが今では、40代、50代、あるいはそれ以上の世代でも、仕事に使うことへの拒絶感はすっかり薄れています。

 近年では、ChatworkやSlackなど、業務用のチャットツールなども使われるようになっています。

 コミュニケーションの方法は、どんどん進化するのです。

■年代が下がるほど文字数が少なくなる傾向…

 コミュニケーションツールの変遷を見ていると、世代が上から下へ移行するにしたがって、使用される文字数が少なくなっていくことがわかります。

 メール世代は、ビジネスメールを「拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」から書き始めていましたが、LINE世代は「お世話になります」「お疲れさまです」「こんにちは」というように、どんどんフランクになり、言葉が省略化されていきます。

 これはビジネスシーンだけでなく、プライベートでも同じです。

 一時期「おじさん構文」や「おばさん構文」が話題になりましたが、年代が上の人は何かと「!」や「絵文字」、「顔文字」、スタンプなどで文字数を埋め尽くしがちです。

 しかし、今時、スタンプや顔文字などを多用するZ世代はいません。だからこそ、○○構文と揶揄(やゆ)されてしまうのです。

■隠語やスラングなど独自文化が発達

 Z世代の間では、仲が良くなればなるほど、絵文字やスタンプなどは使いません。短い単語や文章のやりとりで進みます。これは、絵文字や顔文字を使わなくても、相手とのコミュニケーションを見誤ることがないからなのでしょう。

 代わりに、同じ年代や少人数の決まったグループの中だけで通じる隠語、メタファー、記号などを多用しています。大学生であれば大学のゼミやサークルなど、同じ属性にしかわからない言語が発達しています。

 「それな」「おk」「おけまる」「なるほほ(なるほど)」などの“Z世代言葉”がありますが、中高年世代が周囲の若者に影響されて「自分も使ってみようかな?」となると、「おじさん構文」「おばさん構文」を使うのと同じぐらい、若者から見て“イタいおじさん&おばさん”になってしまいます。

 ですから、「自分のテリトリー外に出たら普通の会話をする」というのが、何はなくとも鉄則です。つまり、コミュニケーションにおいても、「味のないフランスパンを出しておけばハズレがない」というわけです。