新入社員に「飲み会の幹事」を頼んだだけでパワハラに…!?いまどきの若手を傷つけない「幹事の任せ方」

AI要約

会社の飲み会がなぜ行われるのか、その目的や幹事をすることの意義について述べられている。

新入社員が会社の飲み会を嫌う理由について、お酒が苦手などの個人的な理由や上司や同僚との関係性に関する要因が示されている。

飲み会を嫌う新入社員にとって、仕事とプライベートの境界やコミュニケーションの機会に関する懸念が述べられている。

新入社員に「飲み会の幹事」を頼んだだけでパワハラに…!?いまどきの若手を傷つけない「幹事の任せ方」

日本全国で次々と梅雨明けが宣言され暑い日がつづく中、「暑気払い」などの宴会を考えている会社もあるだろう。では、その「幹事」は誰がやるのだろうか? 深く考えずに新入社員に頼むと思わぬ騒動が起きてしまうかもしれない。

前編記事〈新入社員が青ざめた…慣れない「飲み会の幹事」でパニック、上司からのまさかのダメ出しに「もう会社辞めちゃおう」〉では、精密機器メーカー・甲社の総務課に配属されたA山さん(22歳、仮名=以下同)がB沼総務課長(35歳)から課の納涼会の幹事を任されたものの、お店選びなどに問題があったため、キツいダメ出しを食らって、退職を考えるまでの一部始終を紹介した。

引き続きA山さんの事例とあわせて、そもそも会社が飲み会をする目的や新入社員を幹事にする場合の注意点などを、社会保険労務士の木村政美氏が解説する。

会社はそもそも働く場ではあるが、社内全体もしくは部署内で忘年会、新年会、送別会や新入社員歓迎会、プロジェクト達成の打ち上げなど宴会の場を設けている会社は多い。社内で飲み会を行うのは主に次の理由がある。

<会社が飲み会をする目的>

〇社内のコミュニケーションの向上

職場のコミュニケーションが良ければ仕事がスムーズに進みやすい。普段は仕事の話が中心になるし、雑談をするにしても自分の業務に直接かかわる相手とに限られる。宴会の場では、普段接触が薄い社員同士で話をする機会や、趣味などのプライベートな話をしたりなどメンバー同士がコミュニケーションを深める場として活用することができる。

〇幹事をすることで、自分の担当業務に活かしてもらうため

宴会では入社数年の若手社員や新入社員に幹事を任せることが多い。幹事の仕事は、店の選定、参加人数の把握、会費の徴収と会計精算などがあり、宴会を仕切ることは、特に営業など顧客の接待がある、総務など社内イベントの企画や進行を担当する部署に配属されている社員にとっては「仕事の練習」に繋がるとしている。

〇上司が部下の本音を聞いたり、リスクヘッジの場として利用する

宴会の場を借りて、部下の仕事に対するやる気や悩みを聞き出して業務に活かす、酒癖の悪い社員を見抜くことで、酒席に起因する対外や社内でのトラブル(セクハラなど)を事前に回避することができる。

その一方で、「新入社員の全員が歓迎会を欠席した」など、会社の飲み会参加を嫌う新入社員の存在がネットの記事などで取り上げられている。学生時代は新型コロナの影響で人との接触を避ける必要があったため、飲み会のセッティングがほとんどなく、場慣れしていないことや、SNS等で「飲み会を断ってもいい」風潮ができたことが大きいとされるが、他にも以下の理由が考えられる。

<新入社員が会社の飲み会を嫌う理由>

〇そもそもお酒が飲めない、もしくは好きではない

〇社内の人とお酒を飲みたくない

「仕事以外で上司や先輩に気を遣いたくない」「仕事以外の時間で仕事の話を聞きたくないし、したくない」「酒癖の悪い上司や先輩にからまれたくない」等の理由だが、要するに仕事とプライベートの区別をつけたいのである。

〇社内の人のうわさ話や悪口を聞きたくない

自分も陰で言われているのではないかと不安になり、人が信用できなくなる。

〇宴会の参加費用を払いたくない

会社負担もしくは上司などのおごりであれば参加する。

〇一発芸やカラオケなど、宴会の余興をさせられるのが嫌

無理やり強制されると「ハラスメントを受けている」と感じる。