【実は色によって栄養価が違うミニトマト・トマト】赤・オレンジ・黄色・緑…どれが一番栄養価が高い?

AI要約

トマトの色はカロテノイドやポリフェノールによって決まり、色素成分の違いによって栄養成分にも差がある。

リコピンやβ-カロテン、アントシアニンなどの色素成分は強い抗酸化作用を持ち、健康に良い影響を与える。

トマトの色によって含まれる栄養成分が異なるが、様々な色を取り入れることで栄養だけでなく見た目や味も楽しめる。

【実は色によって栄養価が違うミニトマト・トマト】赤・オレンジ・黄色・緑…どれが一番栄養価が高い?

野菜売場や飲食店などでもカラフルなトマトを目にすることが多くなっています。オレンジ・黄色・グリーン・ブラックなど、見た目にも華やかですが、含まれている栄養成分に違いはないのでしょうか?

■トマトの色ってなんの色?

トマトの鮮やかな色は、色素成分であるカロテノイドやポリフェノールによって作られています。

【カロテノイド類】

緑黄色野菜に含まれている色素成分で、緑色の色素であるクロロフィルと共存していることも多いです。トマトやすいかに含まれているリコピン、にんじんやかぼちゃなどで有名なβ-カロテン、柑橘類に含有されているβ-クリプトキサンチン、唐辛子やパプリカのカプサンチンなどがカロテノイド類に分類されています。

【ポリフェノール類】

天然には1000種類以上もあるとされており、赤ワインやブルーベリーでおなじみのアントシアニン、チョコレートに含まれるカカオマスポリフェノール、緑茶のカテキン、大豆イソフラボンや大豆サポニンなどがあります。

色素成分の含有の差異によってトマトの色にも違いが生まれます。

◆赤色・ピンク色のトマト:リコピン(赤)が多い

◆黄色、橙色のトマト:リコピン(赤)+β-カロテン(黄~橙)

◆黒色のトマト:リコピン(赤)+皮にアントシアニン(赤~青紫)

◆緑色のトマト:リコピン(赤)をあまり含まない

また、ピンク系トマトのリコピンより体内に吸収されやすいとされているシス型リコピンを豊富に含むゴールド色のトマトなどもあります。

■トマトの色によって栄養成分に違いはある?

これらの色素成分は、単なる色の違いだけではなく、優れた機能性を持っていることでも知られ、強い抗酸化作用によって活性酸素を抑える働きがあるといわれています。

◆リコピン:

β-カロテンの2倍・ビタミンEの100倍以上ともいわれる強力な抗酸化力をもち、加熱にも強い。脂溶性のため、ドレッシングや肉類などと一緒に摂ると吸収率が3~4倍にもなるといわれています。

◆β-カロテン:

体内でビタミンAに変わり、免疫機能の維持や抗酸化作用に働きます。

◆アントシアニン:

強い抗酸化作用とともに、眼精疲労にかかわる成分として知られています。水に溶けやすく吸収されやすいですが、消失もしやすく効果を得るには続けて摂ることがのぞましいとされています。

また、同じ赤い色をしたトマトでも、日本で多く流通している色の薄いピンク系と、海外で多く生産されている赤系品種に分類されています。ピンク系品種は皮が薄くて糖度が高い物も多く生食に向いています。一方赤系品種はうま味成分のグルタミン酸やアスパラギン酸が多く含まれ、加熱料理に使われることが多くなっています。基本的に赤色が濃い方がリコピンは多く含まれているといわれています。

トマトは色によって機能性にも多少の違いがありますが、色々な色をとりそろえると、栄養面だけでなく、味や食感、見た目にも楽しい食卓になるのでおすすめですよ。

参照:

・「色の野菜の栄養事典(X-Knowledge)」

・「からだのための食材大全(NHK出版)」

・「からだにおいしい野菜の便利帳(高橋書店)」

・「やさい(幻冬舎)」

・e-ヘルスネット 「カロテノイド」

・農林水産省「トマトを効果的に」

ライター/大槻万須美

管理栄養士・フードスタイリスト・腸内ケアフードアドバイザー。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。

協力/NS Labo