私、ニオってる? 自分では気づきにくいけど気になる「加齢臭」その原因と対策

AI要約

加齢臭の原因と対策について、皮膚ガスの第一人者である関根嘉香先生から教えてもらいました。

加齢臭は皮膚ガスが皮脂の酸化によって発生し、加齢とともに強くなることがわかりました。ただし、過剰に気にする必要はなく、それでも対策をすることが大切です。

紫外線対策や抗酸化力の高い食品の摂取、シトラス系の香りを使うことなど、今日から取り入れられる加齢臭対策がいくつか紹介されています。

私、ニオってる? 自分では気づきにくいけど気になる「加齢臭」その原因と対策

年を重ねるにつれ、気になりだすのが「加齢臭」です。もともとニオイというのは、他人のものに比べて自分のものには慣れやすく、気づきにくい傾向があります。気にし過ぎはストレスのもとですが、最低限のニオイ対策は大人のエチケット。自分も周囲の人も快適に過ごせるよう、対策しておきたいですよね。今回は、「皮膚ガス」第一人者の関根嘉香先生に聞いた「加齢臭」の原因と対策をお伝えします。

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▶教えてくれたのは

関根嘉香先生

東海大学理学部化学科教授。室内環境汚染について調査する中で、「皮膚ガス」を検出したことを機に研究に着手。以来、皮膚ガス研究の第一人者として、医療や生活用品への応用などに取り組んでいる。著書に『皮膚ガスのはなし 体臭は心と体のメッセージ』(朝倉出版)。

■皮脂の中身が変わって…「加齢臭」はこうして発生する

加齢臭のもととなるのは皮膚から発生する「皮膚ガス」。皮膚ガスは、皮膚が酸化することで発生します。しかし、皮脂は年齢にかかわらず分泌されるもの。なぜ年を取るとニオうようになるのでしょうか。

その理由は、関根先生曰く「加齢とともに皮脂の中の加齢臭の原料となる成分は増加します。また、皮脂を酸化させる活性酸素も増えるため、加齢臭が強くなるというわけです」。

加齢臭を抑える対策は必要ですが、一方で関根先生は「気にし過ぎないことも大切」とも。「加齢臭は誰にでもあるもの。ストレスから発生するニオイもあるため、お互いさまくらいの気楽な気持ちで対策を」

加齢臭発生メカニズムがわかったところで、次に気になるのは“対策”。気になる加齢臭を抑えるために、今すぐできる対策を関根先生に伺いました。

■今日からできる加齢臭対策1:なるべく紫外線を避ける

「紫外線は、皮脂を酸化させる大きな要因。紫外線の強い時期は、日傘を差したり帽子をかぶるなど、紫外線対策を」と関根先生。また、体内で活性酸素が過剰に増えるのを防ぐため、バランスの取れた食事や質のよい睡眠をとることも大切です。

■今日からできる加齢臭対策2:カシスや梅の加工品を食べる

活性酸素の働きを抑制する抗酸化力の高い食品を食事に取り入れるのも、有効な対策の一つです。「カシスや梅に含まれる抗酸化成分、ポリフェノールに加齢臭を低減する働きがあることが、実験で明らかになっています」(関根先生)。ただし梅干しでは不十分だそう。塩分とりすぎなど、ほかの問題も気をつけながら抗酸化に取り組んでみましょう。

■今日からできる加齢臭対策3:香りを工夫する

加齢臭は洗い流せますが、シャワーを浴びることができないときは香りでカバーする方法もあります。そんなとき、関根先生がおすすめする香りはシトラス系。「オレンジやレモンなど、シトラスの香りは加齢臭のニオイ成分と相性がよく◎。お香やポマードのような、ウッディ・パウダリー系の香りは相性が×なので注意が必要です」(関根先生)

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からだのニオイから解放されて、爽やかな夏を過ごしましょう!

取材・文/恩田貴子 イラスト/カシワイ