「菌」に注目すれば“夏のからだのニオイ問題”は一挙解決!気になる汗臭さの原因と対策

AI要約

汗にまつわるニオイの原因は皮膚ガスであることを解説。常在菌が汗や皮脂を食べて発生するガスがニオイの元であることを強調。

関根嘉香先生からの3つの夏のニオイ対策を紹介。1. ぬれたタオルで汗をこまめに拭く、2. 速乾性の高い下着を使用する、3.からだをゴシゴシ洗わないようにする。

これらの対策を実践して、ニオイから解放されて爽やかな夏を過ごすことを提案。

「菌」に注目すれば“夏のからだのニオイ問題”は一挙解決!気になる汗臭さの原因と対策

連日の猛暑で吹き出す汗…ニオイ、気になりますよね?ちゃんと拭いているのに、なんだか汗臭さが取れない、なんていうことも。そんな汗にまつわるニオイは、「菌」に注目すれば、一挙に解決できちゃうんです。今すぐできることばかりなので、ぜひお試しを!

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▶教えてくれたのは

関根嘉香先生

東海大学理学部化学科教授。室内環境汚染について調査する中で、「皮膚ガス」を検出したことを機に研究に着手。以来、皮膚ガス研究の第一人者として、医療や生活用品への応用などに取り組んでいる。著書に『皮膚ガスのはなし 体臭は心と体のメッセージ』(朝倉出版)。

■汗臭さの原因は「ガス」だった!

じつは、汗にニオイはありません。汗臭さの原因は汗自体ではなく、体から出る「皮膚ガス」なんです。このガスは皮膚表面にいる常在菌が汗や皮脂を食べることで発生するため、常在菌に餌である汗や皮脂を与えないことが、ニオイの予防には効果的です。

「汗をかいたらぬれたタオルで拭き取ること。足のニオイが気になる場合は、常在菌の餌となる角質のケアを行うのもおすすめです」と関根先生。

さらにもう一つ、蒸れを防ぐことも効果的な手段なのだそう。「常在菌は湿気が大好き。通気性や速乾性の高い衣類を身につけて、菌の好む環境をつくらないようにしましょう」(関根先生)。特に注意したいパーツは頭皮、おでこ、耳の後ろ、背中、わき、胸、足など。汗がたまりやすい部分を重点的に対策しましょう。

関根先生に、汗をかきやすい夏に試したいニオイ対策3つを聞きました。どれも簡単なことですが、皮膚ガス対策としては超重要。取り入れられるものからぜひトライ!

■夏のニオイ対策1:「ぬれた」タオルでこまめに拭く

常在菌の餌となる汗はこまめに拭き取ることが大切ですが、その際にはぬれたタオルを使って。「汗は体温を下げるためのもの。乾いたタオルで拭くと発汗量がより増えてしまう可能性があるため、ぬれたタオルや汗拭きシートが◎」(関根先生)

■夏のニオイ対策2:速乾性の高い下着を使用する

皮膚の上に汗を長時間とどまらせないためには、速乾性、吸水性の高い下着を着用するのもおすすめ。「吸収した汗を、外に逃がしてくれる下着がベスト。足のニオイが気になる人は、消臭力の高い靴下を選ぶとニオイが気になりません」(関根先生)

■夏のニオイ対策3:からだはゴシゴシ洗わない

皮膚を落とそうとして、からだをゴシゴシ洗ってしまうのはNG。「皮脂が不足すると、からだは通常以上の皮脂を分泌して不足分を補おうとします。その結果、よけいに体臭が強くなることもあるため、こすり過ぎには注意して」(関根先生)

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からだのニオイから解放されて、爽やかな夏を過ごしましょう!

取材・文/恩田貴子 イラスト/カシワイ