開業医の夫が突然、病に倒れた…高級住宅街の一軒家を手放すことになったセレブ妻が「それでも満足」だと語った「意外な理由」

AI要約

夫の病気でクリニックの廃業と原状回復費用の問題に直面した60代女性Kさん。生命保険解約や自宅売却による資金調達が必要だが、贈与税や不動産取得税の問題も懸念されている。

提案された贈与や売却方法では税金負担が大きいが、夫とKさんで一般的な方法で自宅を売却すれば節税ができる可能性がある。

夫の了解を得て、売却の手続きを進め、問題解決に向けて進展している。

開業医の夫が突然、病に倒れた…高級住宅街の一軒家を手放すことになったセレブ妻が「それでも満足」だと語った「意外な理由」

いままで元気だったはずの家族がある日、突然倒れたら……。治療費や家のローンなど、金銭面で考えないといけないことは山積みです。夢相続を運営する相続実務士の曽根恵子さんが、相談者の60代女性Kさんのケースからお金にまつわる疑問を紐解いていきます。

Kさんの夫は開業医。人気のクリニックを20年にわたって経営してきましたが、ある日心筋梗塞で倒れ、仕事復帰が難しい状態になってしまいます。突然のことでクリニックの引き取り手も見つからず、廃業を決意。しかし、その原状回復費用に3000万円かかる、と言われてしまいます。羽振りの良い生活をしてきたことと、クリニックに設置する医療機器に資金を投じていたことで、Kさんの家にはそれほど巨額の現金はありませんでした。

生命保険を解約するか、自宅を売却するしかない。でも、夫が入院中では家は売れないのでは――そう悩んで、区役所の法律相談に行ったところ、担当の弁護士から離婚をして、自宅名義をKさんにする、というアドバイスを受けたと言います。

記事前編は「開業医の夫が突然、病に倒れ…生活が一変したセレブ妻が『夫の預金通帳』を見て、判明した『予想外の事実』」から。

弁護士からは、名義変更は多額の贈与税がかかると言われましたので、それも悩んでるということです。弁護士からは、司法書士にも相談に行くようにとも言われたといます。

Kさんは、離婚の前にまず、生命保険を解約してクリニックの原状回復工事代の一部にと考えており、次には、自宅の土地家屋の名義を夫からKさんにして売却することができるかについて、教えてもらいたいということです。

Kさんに再確認すると、自宅は二人暮らしには広いので、売却してマンションに住み替えたいとのこと。夫は退院した後でも車イスで、介護が必要になります。現在の自宅はバリアフリーになっていないため、介護できる状況ではないといいます。

弁護士の説明では、「夫から贈与、次に売却」という流れを説明されていましたが、すでに配偶者贈与を使っているKさんには特例を利用することができず、一般的な贈与になるため、贈与税がかかり、名義替えや不動産取得税もかかります。さらに売却したときにも特例の3000万円控除は1人分しか使えないため、余分な贈与税、譲渡税、不動産取得税を払うことになるのです。

そうした方法ではなく、夫とKさんの2人で普通に売却することが一番節税になることを説明し、当社で売却の担当をさせて頂くようにしました。

夫は入院中ながら、意思確認はできるまでに回復しておられて、問題ないと判断しました。