授乳するたびに苦しくなるのはなんで!…芸人・紺野ぶるまが「断乳」で経験した後悔と気づき

AI要約

仕事をするのが大好きで産後もすぐに復帰したかった主人公は、母乳問題に直面しながらも自分に厳しいポリシーを貫くことになる。

体が未発達の赤ちゃんを見て初めて現実を受け入れることになり、母乳の重要性に気付く。

母乳育児の過酷さに耐えながらも、最終的に断乳を決断し、子供の健康を考えるようになる。

授乳するたびに苦しくなるのはなんで!…芸人・紺野ぶるまが「断乳」で経験した後悔と気づき

仕事をするのが大好きで産後もすぐに復帰したかった私は妊娠中から、「子育てはできる範囲で気負わず、周りに頼ってのらりくらりやっていこう」と決めていました。

産後、仕事に集中できるように事前に用意すべき赤ちゃんのものや、ルーティーン動画などをみてイメトレをしていました。

その中でたまに出てくる「母乳が出なくて悩みました」というような声にも、自分には絶対そんなことは起こらない、起こったとしても私はこんな風に悩まない。なぜなら私の主軸は仕事で、そのために用意周到で優秀な妊婦なのだからと誇らしげに過ごしていました。

しかし、産後一日目で、我が子が豪快にミルクを吐き戻したのを目撃した瞬間に風向きが変わったのです。

体が出来上がっていない赤ちゃんが吐き戻しをするなんて当たり前で、動画でもみていたはずなのに、楽しくなさそうな情報は全て耳が拒否していたようで…

体調がよくないのだと勘違いし「この子が死んじゃうかもしれない」とすぐに抱き抱えて看護師さんに見せに行ったのです。

その調子で私は入院中の四日間、目がギンギンで眠れなくなり気づくと「尽力して、この子のちょっとしたサインも見逃したらあかんぜよ」と産前とは真逆ポリシーを掲げているのでした。

そこでついにぶちあたったのが母乳問題です。

近年の粉ミルクの質の良さはすごいと聞いていたので、母乳はできる範囲でと思っていたのですが、我が子が初手から乳をチューチューと上手に吸ってくれたのが嬉しくてチャレンジしたくなったのです。

しかし二日目には乳首が腫れ上がり、さらには何かが詰まったような感覚と共にでなくなり、慣れない体勢に肩腰がガッチガチになりました。それでも両乳30分くらいは吸わせる必要があります。

新生児は3時間置きに授乳するというのは知っていましたが、じゃあ、その3時間の間に仮眠できるかと言ったらそんなことはありません。

追加であげるミルクの準備、おむつ替え、自分のシャワーや食事は最短で済ませ、そろそろ一休みというタイミングで大学病院ならではのカーテンを急にシャーっとあけてきての問診が始まります。自宅に帰ってからはさらにここに家事も加わってきます。

もうこんなに大変ならいいじゃないかと「母乳 メリット」で検索すると「学力が高くなる、落ち着きのある子に育つ、体が強くなる」など課金しても手に入れたい内容が乳ひとつで叶うかもしれないことを知ります。

また「粉ミルク メリット」で調べると「母親の時間や体力に余裕が出る、海外では仕事をしたい女性にとっては粉ミルクは当たり前」などと出てきて「じゃあ赤ちゃんへのメリットはないじゃないか!私の頑張り次第でどうとでもなる!」と、流血している乳首に保湿剤を塗りサランラップをして日々過ごすようになったのでした。

退院してから脇の下が膨らむ副乳ができたり、ちょっと授乳時間が空くと高熱が出る乳腺炎に悩まされながらも、いつかみんなが言う「授乳するの好きになった」「幸せホルモンが出てた」という領域にいけると思っていました。しかし、3ヵ月月を過ぎても大きな変化はなく、それどころか授乳をするたびに苦しくなったり不安になったりしてることに気がつきました。

好きなドラマをみて気をそらしたり、深呼吸して紛らわしていたのですが、どうも耐えられない。家を飛び出したくなるような感覚になります。

調べてみるとそういう症例は確かにあるものの、「赤ちゃんに栄養を与えている時に嫌な気持ちになる」なんて誰も声を大にして言いたいわけもなく、あまり発信されてないようでした。

「母乳をやめたらもっとこの子と穏やかに過ごせるようになるのでは」と想像するようになりました。

検診の時に医師に相談すると「半年間、一日一回でもいいから頑張れば意味はあるから」と言われ、本当にそのスケジュールで断乳をしました。

二歳になった我が子は、今のところは体も大きく健康に育っているのですが、やはり他のママの「なんとか母乳頑張りました!達成感がすごいです!」的な投稿をみると、この子に母乳をあまり与えなかった罪悪感や、「この子から何かを奪ってしまったのではないか」と言う後悔に襲われます。

時間が経ち辛さを少し忘れた今だからこそ「もっと頑張れたのではないか」と考えてしまいます。