ふるさと納税、「定額減税」の影響は?ポータルサイトでの「ポイント付与禁止」?いま知りたい最新情報をマルっとお伝え【FPが解説】

AI要約

2024年6月から始まった「定額減税」では、ふるさと納税の上限額に影響はなく、住宅ローン控除にも影響しないことが確認されています。

また、2025年10月からポータルサイトでのポイント付与が禁止されることで、ふるさと納税のポイント還元が終了し、自治体に寄付する際の経費削減が目指されています。

ポイント付与の禁止にもかかわらず、キャッシュレス決済でのポイント付与は残りますが、ふるさと納税に関連するポイント付与は禁止されます。

ふるさと納税、「定額減税」の影響は?ポータルサイトでの「ポイント付与禁止」?いま知りたい最新情報をマルっとお伝え【FPが解説】

2024年6月から始まった「定額減税」では、1人当たり所得税3万円、住民税1万円の計4万円が減税されます。この定額減税は、ふるさと納税の寄付額に影響があるのでしょうか。さらに、来年2025年10月から「ポータルサイトでのポイント付与禁止」が発表されました。その影響や各自治体の取り組みなど、最新情報を村井美則FPが解説します。

ふるさと納税は「納税」という名の通り、本来は自分の住まいがある自治体に納税する税金を、応援したい自治体に寄付することで、税金の控除が受けられる仕組みです。

寄付額は所得や家族構成、各種控除の金額などによって上限額が異なります。 そのため、2024年6月から始まった「定額減税」によって寄付の上限額に影響が出るのでは? と疑問に思っている方もいるかもしれません。ですが、結論から申し上げますと、上限額に影響はありません。

なぜなら、2023年12月22日に閣議決定された「令和6年度税制改正の大綱」において、「令和6年度分の所得割の額は、特別控除の額を控除する前の所得割の額とする」と記載されているからです。要するに、ふるさと納税の上限額を計算する際には定額減税の額を控除する前の所得を用いるため、定額減税のことは考慮せず、ふるさと納税の上限額はこれまでの計算方法で考えれば問題ないということです。

ちなみに、住宅ローン控除についても定額減税によって控除額が減ることはありません。 所得税額から住宅ローン控除額を差し引き、そのあと定額減税の額の控除をするため影響がないのです。

もうひとつ、ふるさと納税で気になるニュースが飛び込んできました。総務省は2025年10月から「利用者に対しポイントを付与するサイトを通じて、自治体が自治体が寄付を募ることを禁止する」と告示しました。これにより、実質的にふるさと納税のポータルサイトからのポイント還元は終了となります。

総務省はポータルサイトが利用者の囲い込みとして、ポイントの還元率を高めるキャンペーンが広がっていることを問題視しています。また、自治体がサイトの運営事業者に支払う手数料がポイントの原資に含まれているとして、ポータルサイトでのポイント付与禁止することで自治体に入るお金を増やす狙いがあります。

総務省がこのような対応を取るに至った背景を簡単に説明しましょう。 年々利用者が増加しているふるさと納税ですが、ついに寄付額が1兆円規模となりました。 

しかし、返礼品に3割、ポータルサイトへの手数料が1割、配送などの費用が1割ほどかかるため、納税額全体の約5割が経費として消えています。自治体が使える税金は残りの5割しかないという実態を踏まえ、総務省は今年「寄付額に占める経費の割合を5割以内に収めること」を自治体に要請し、2024年10月からの施行を決定しました。

寄付者は、たくさんあるポータルサイトを比較し、返礼品の内容で寄付先を選んだり、よりポイント還元が多いサイトやタイミングで寄付先を選んだりしているのが現状ですから、ポイント付与が無くなることを残念に思われる方も多いかと思います。

ただ、寄付金をクレジットカードなどキャッシュレス決済で支払った場合に付くポイントは、通常の商取引に伴うものとして禁止はされないため、決済方法でポイントを得る方法は残っています。ただ、こちらもふるさと納税をすることでの追加ポイント付与は禁止となります。