【寝起きの口臭対策】「起きてすぐのキス」は幻想!?朝は口が臭くて当然です!

AI要約

朝の寝起きは口内細菌が最も増殖する危険なタイミングであり、口臭が起こりやすい。

口臭の主な原因は揮発性硫化物のガスであり、寝起き時には特に顕著になる。

起床後は口内の細菌をうがいや歯磨きで除去し、唾液を活性化させることが重要。

【寝起きの口臭対策】「起きてすぐのキス」は幻想!?朝は口が臭くて当然です!

ロマンチックな寝起きのキスに憧れるけれど、自分も相手も口臭が気になって躊躇してしまう……。それもそのはず、朝は一日の中でもっとも危険なタイミング。その原因を、専門家がレクチャーします!

教えてくれたのは……上田恵子院長

TOKYO BREATH CLINIC

一日の中で、口の中の細菌がもっとも多いのは寝起きのタイミング。寝ている間は、口内の動きが停止するため唾液が循環しづらく、温室のような環境になっています。一つの細菌が、寝て3時間後には約1億個に増えてしまうともいわれていて、寝起きの細菌は大便10g分ほどに相当する量。細菌が繁殖し放題で、飽和状態です。たとえ、寝る前にキレイに磨いたとしても、どんなに健康なお口でも、細菌は確実に増えるので、誰でも口臭が起こります。菌はキスをすると移ってしまうし、寝起きにキスをするというのはドラマや映画の世界の話。学問的にはありえないので、してはいけません(笑)。

口臭は、細菌が唾液や粘膜、食べカスなどをタンパク源にして分解する過程で発生し、最終的には『揮発性硫化物(きはつせいりゅうかぶつ)』と呼ばれるガスとなって口から出てきます。いわゆる“ドブっぽい”と言われる、硫黄臭さを放つガスです。歯周病や内臓疾患といった病気由来の口臭、ニンニクやアルコール、強い薬などが原因となる口臭もありますが、日常の口臭の多くは生理的口臭として揮発性硫化物というガスが口から出てくると言っていいでしょう。そして、この“揮発性”というのは、液体が蒸発していることを指します。つまり口内の液体である唾液が蒸発して、ニオイを発している可能性が高いということ。唾液の量が少なかったり、ネバついて汚かったりすると、口臭は必ず起こります。舌の動きが止まると唾液の循環も停止するため、何時間も寝た後にニオイが出るのは当然ということです。

とにかく起床時は、飽和状態の細菌を飲み込んではいけません。まず、ぶくぶくうがいをして細菌を外に吐き出し、丁寧に歯を磨きましょう。夜、寝る前にもきちんと菌を取っておくことが大前提ですが、それでも就寝中に菌は繁殖するので、何はともあれ朝イチに菌を出す。そこから水を一杯飲んで口の中をうるおわせてから、朝ご飯を食べる。朝食後は、フロスや歯間ブラシなどで食べカスを取り、水でゆすぐぐらいが◎。食後は、口の中がよく動いて良質な唾液が出ているタイミングなので、ブラッシングや歯磨き粉で取ってしまわないほうがいいですよ。