斎藤兵庫県知事が辞任否定「生まれ変わって信頼関係を再構築したい」…県職労の辞職要求受けて会見

AI要約

兵庫県の斎藤元彦知事を巡るパワハラ疑惑を内部告発した男性職員が死亡。県職労が辞職要求の申し入れ書提出。

知事は申し入れを受け止めつつも辞職を否定し、職員との信頼関係を再構築したいと表明。

疑惑をめぐる混乱が続き、男性職員は自殺した可能性が高いとされる。

 兵庫県の斎藤元彦知事を巡るパワハラなどの疑惑を内部告発した前県西播磨県民局長の男性職員(60)が死亡したことがわかり、県職員労働組合は10日、斎藤知事宛てに、「責任ある対応」を求める申し入れ書を提出した。事実上の辞職要求となる。斎藤知事は同日の記者会見で辞職を否定した。

 県職労の土取節夫・中央執行委員長が同日午前、県庁で片山安孝副知事に申し入れ書を手渡した。終了後、記者団に「『責任ある対応』とは辞職も入る。県政を一新し、安心して働ける職場にしてほしい」と述べた。

 県職労は約4000人が加入する県最大の職員労組。申し入れ書では、男性職員の死亡について「告発した職員を守ることができなかったのは痛恨の極み」とし、「問題の発生以来、現場の業務遂行には大きな支障が生じ、知事として責任ある対応を求める」と指摘した。3月の問題発覚後、県には知事への批判の電話などが相次いでいるという。

 斎藤知事は同日午後の記者会見で、申し入れ書について「大変重く受け止めている。職員や県民には大変申し訳ない」と陳謝した。

 一方で、「県政を立て直すのが、私にとっての責任だ。責任を果たすために頑張りたい」と辞職を否定。「私自身が生まれ変わって、(職員との)信頼関係を再構築していきたい」と強調した。

 問題を巡っては、男性職員が3月、部下へのパワハラや視察先企業からの贈答品の受け取りなど、斎藤知事に関する7項目の疑惑を指摘する文書を一部の県議らに配布。県は5月、疑惑を否定する内部調査の結果を公表したが、県議会が真相究明のため、6月に強い調査権限を持つ百条委員会を51年ぶりに設置する事態となった。

 男性職員は今月19日に開かれる百条委に証人として出頭する予定だったが、7日夜に同県姫路市内で亡くなっているのが見つかった。自殺とみられる。