「キウイ」で胃熱を鎮めて機能を高め、胃のトラブルを改善【健康長寿に役立つ高齢薬膳】

AI要約

胃のつかえ感や消化不良の原因として食事の摂り過ぎや胃熱が挙げられる。

シニアにとって栄養の摂取と消化の改善が重要であり、キウイがその役割を果たす。

キウイを活用した高齢薬膳レシピも紹介されている。

「キウイ」で胃熱を鎮めて機能を高め、胃のトラブルを改善【健康長寿に役立つ高齢薬膳】

【健康長寿に役立つ高齢薬膳】キウイ

 なんだか胃がつかえる感じがする。食事をした時に食べたものがなかなか通って行かなくて気持ちが悪い……。

 胃のつかえは、主に食べ過ぎ、脂っこいものや辛いもの、あるいは糖分の高いものを摂ったときに起こりやすくなります。胃の消化が追い付かず、十分に消化しきれないまま飲食物が小腸へと送られることが大きな原因です。また、胃に負担がかかっているため、胸がムカムカしたり吐き気を伴うケースも多くみられます。

 とくにシニアは、胃の蠕動運動が低下しているため消化に時間がかかり、胃のつかえを感じやすくなります。さらに加齢にしたがって胃の粘膜を保護する血流も悪くなりがちで、胃の粘膜が傷つくことも症状を引き起こす原因になってしまうのです。

 シニアにとっては、「しっかりと栄養を摂れる体調維持」こそ「生涯現役」の要。早めのケアが必要です。

 中医学において、胃は、「脾」と呼ばれる臓器と連動していると考えます。脾は、飲食物の消化吸収をつかさどる臓器。胃で消化された飲食物は脾に運ばれ、栄養物質は体内の上へ、そして消化した残り物は小腸へと下に送られます。ところが、この機能が不十分になると、胃のつかえ感が生じてしまうのです。

 とくに胃の許容量を超えた食事は、脾と胃の機能失調につながる大きな原因になります。その結果、胃に熱を生み炎症を起こす「胃熱」が原因となって症状が現れます。改善のためには速やかに胃熱を冷まし、消化力をアップする食材を取り入れることが大切です。

 おすすめはキウイ。胃熱を鎮めるとともに、胃の機能を高めて胃もたれ、消化不良、食欲不振、吐き気などのトラブルを改善します。

 キウイは、身体の余分な熱を冷まし、身体に潤いを与える働きがあるため、まさに夏には必要なフルーツ。夏バテ撃退のために、この時期は積極的に取り入れるとよいでしょう。頻尿や排尿痛といった尿トラブルの改善、血圧降下にも役立ちます。

 さわやかな甘みと酸味があるキウイは、料理に使っても美味しくいただけます。サラダにしたり、すりおろして肉や魚のソースとして使うのもおすすめです。

 キウイの胃のつかえを改善する効果を高めるためには、脾の働きを強化し、胃をサポートするジャガイモやリンゴ、胃の消化能力を高める大根などと組み合わせるとよいでしょう。

■キウイ高齢薬膳レシピ

キウイポテトサラダ

 胃の熱を冷まし働きを整えるキウイと、脾と胃の機能をサポートするジャガイモ、胃の消化能力を高めるかいわれ大根を組み合わせたレシピ。市販のポテトサラダで手軽に作れます。キウイの甘酸っぱい風味が意外にもポテトサラダにベストマッチ。夏バテ改善にもおすすめです。

【材料】2人分

●ポテトサラダ(市販) 200g

●キウイ 1個

●かいわれ大根 1/2わ

●ヨーグルト 小さじ1

【作り方】

 ポテトサラダをボウルに入れ、ヨーグルトを加えて混ぜる。さらに、皮をむいていちょう切りにしたキウイを入れ、混ぜ合わせて器に盛り、根元を切ったかいわれ大根を散らす。

(池田陽子/薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト)