病気が怖いからとにかくコレステロールを下げる。それって本当?和田秀樹「血管が丈夫にしたいのならば、むしろ…」

AI要約

健康診断でコレステロール値を下げる必要性について疑問が提起されている。現行の厚生労働省のガイドラインによれば、コレステロール値の上限値は設けられていない。

医師・和田秀樹先生は、高いコレステロール値が元気で長生きする上で有利であると主張している。本記事では、和田先生の新刊から人生中盤から健康に生きるためのヒントを紹介する。

柴田博先生の<百寿者>研究により、長生きする人の食事習慣が明らかになってきた。百寿者は動物性たんぱく質を多く摂取し、緑黄色野菜を毎日食べる傾向があることが分かっている。

病気が怖いからとにかくコレステロールを下げる。それって本当?和田秀樹「血管が丈夫にしたいのならば、むしろ…」

健康診断の結果などを見て「コレステロール値を下げないと病気になる」と言われてきた人も多いのではないでしょうか?しかし現在、厚生労働省のサイトによれば「食事中のコレステロールの上限値については専門家の間で決着がついておらず、現行の厚生労働省『日本人の食事摂取基準』では、食事中のコレステロールについては上限値を設けていない」とのこと。実際「コレステロール値は高めのほうが、元気で長生きしやすい」と主張するのが医師・和田秀樹先生です。今回は先生の新刊『コレステロールは下げるな』より抜粋して、人生中盤から楽しく健やかに生きるためのポイントを紹介します。

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◆「百寿者」の研究が明かした実際に長生きする人の食卓とは

柴田博先生は、100歳を超える<百寿者>の研究で知られる医師です。

柴田先生が、オリジナルの研究を始めたのは1972年。

今から50年も前ですから、その先進性には驚くばかりです。

世界の老年学に先駆けた、偉業と言えます。

今では百寿者は日本全国で9万人を超えました。

しかし、当時は500名ほどだったそうです。

その中から105人を 選び、北海道から沖縄までの全都道府県を、家庭訪問しました。

柴田先生は医師ですが、他にも栄養学者、社会学者、心理学者など、幅広い角度からの研究が可能な体制で臨まれたと伺いました。

研究の開始から10年が経ち、百寿者も1000人を超えています。

比較の対象は「全国の20歳以上」で国民健康・栄養調査から割り出した数値です。

注目すべきは「魚介、肉、大豆製品、卵」の多さで、柴田先生によれば「たんぱく質の摂取量が多かったが、とくに動物性たんぱく質の多さが印象的だった」 と言います。

朝昼夜の食事の2回以上に、魚か肉か卵かのたんぱく質を摂っているわけです。

同時に、緑黄色野菜も、毎日食べている人が多いことがわかります。

牛乳や油料理は、若い世代とほぼ同じくらい。

つまり、若い世代よりよく食べている、ということがわかるのです。

「よく食べる高齢者ほど元気」と、私は何度も自著の中で指摘してきましたが、それはこの百寿者の実態調査からもわかります。