アドラー心理学の岸見一郎が教える「聞く耳を持たない人の対処法」

AI要約

自分の意見が絶対正しいと思い込んでいる人に、聞く耳を持たせる方法について解説。

意見が対立した際に困難な状況を乗り越えるためのアドバイス。

子どもと親の関係を例に、自分の意見を通すことと押し付けることの違いを示す。

アドラー心理学の岸見一郎が教える「聞く耳を持たない人の対処法」

【今回のお悩み】

「自分の意見が絶対に正しいと思い込んでいる人に、どうやったら聞く耳を持たせることができるでしょうか」

意見が対立したときに、こちら側の意見を聞こうともしない、困っていそうだからその人にアドバイスしているのに、自分の考えが正しいと思い込んでいる──そんな聞く耳を持たない人たちの対処法を、アドラー心理学に詳しい岸見一郎先生が解説します。

自分の意見が絶対に正しいと思っている人と関わるのは厄介ですが、近い関係の人であれば避けることはできません。衝突を避けるためには、どうしたらいいか考えてみましょう。

自分の意見が絶対に正しいと思い込んでいる人がいても、ほかの人に実質的な迷惑を及ぼさない限り、考えを正すことは原則的にはできません。しかし、介入しなければならない場合が二つあります。まず一つ目は、自分の意見を押しつけてくるときです。

たとえば、親は子どもがどの大学に進学するかを決めようとすることがあります。子どもの大学進学について、親が自分の意見を持つことには問題はありません。しかし、親がこの大学に行くようにと自分の意見を押しつけてくれば、子どもは抵抗しなければなりません。

この場合、「聞く耳を持つ」というのは、親が自分の意見を子どもに押しつけるのを断念するということです。子どもが親の意見に同意できなければ、たちまち揉めることになるでしょうが、自分の人生なのですから自分で決めなければなりません。

就職や結婚も同じです。どんな仕事に就くのか、結婚するとすれば誰と結婚するのかも自分で決めなければなりません。親が自分の意見を押しつけてきたら、干渉しないでほしいときちんと主張できなければなりません。そのようにいえば、親子間の摩擦は避けられないかもしれませんが、自分の人生を生きるためには恐れてはいけません。

親に自分の意見をいうとき、親に理解してもらおうと思わなくてもいいことを知っていなければなりません。親に理解されなくても何の問題もありません。