他人との会話に疲れる人がやるべき「トレーニング」…受け取り方に問題があった

AI要約

若い人がコミュニケーションで距離を詰めない傾向にあること

人間関係における躊躇や勇気を出す重要性

コミュニケーションの結界を破ることが大切である理由

他人との会話に疲れる人がやるべき「トレーニング」…受け取り方に問題があった

自分が話したことを否定された。嫌われているのかな?

他人との会話でよくある場面。気にしすぎになっている場合もある。齋藤孝さんが40年にわたって続けてきたコミュニケーション講義のエッセンスを紹介した『「考えすぎて言葉が出ない」がなくなる』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けします。

新入社員が入ってきた、4月になって新しいクラスになった、そんなタイミングで、「グループのみんなと仲良くなりたいから、飲み会を企画したい」と考えたとします。でも心の中では、

「誘ったことで『何この人? 図々しい』と思われたら嫌だな」

「自分が最初に声をかけることで、目立とうとしていると思われないかな」

「スルーされたらいたたまれないな」

と、躊躇する人もいるのではないでしょうか?

私は長く大学で学生たちを見ていますが、特に最近の若い人は、人との距離を一気に詰めない「やさしさ(慎重さ、臆病さ)」を持っているように思います。要するに、距離をとりながら相手に徐々に近づこうとする。急に近づいたりせず、どこまで自分を受け入れてくれそうか、慎重に間合いをはかる傾向にあるようです。

間合いを詰めすぎると嫌われて、自分が傷ついてしまうかもしれない。だったら傷つかないために誘わないようにしよう。そんなふうに考えているように見えます。

私の造語ですが、「コミュニケーションの結界」ができている感じです。「様子見結界」ともいえます。

でも、その「結界」にあえて踏み込んで、飲み会を開催してくれる学生がいると「誘ってくれて嬉しかった」「企画してくれてよかった」という声があがります。

結局みんな、「結界」を破る人を待っているのですね。

だから、ちょっと勇気を出して誘ってみてください。

そのときに躊躇しながら声をかけると、何を言っているのか気づいてもらえなくて、悲しい気持ちになることもありますから、簡潔に言うといいと思います。もちろん、LINEで伝えてもいいですね。やってみると、「なんだ、こんな簡単なことだったのか」と気づくでしょう。