肌や粘膜が乾く…更年期の渇き対策。体の貯水タンクを育てる筋トレと、水分・ミネラル不足を防ぐ対策

AI要約

更年期には水分やミネラルが不足しやすく、様々なトラブルが起こりやすくなる。

水分やミネラルの不足が疲れやこむらがえり、頭痛などの不調を引き起こす。

対策としては、スポーツドリンクを活用した水分・ミネラル補給と、ももの筋トレを行うことが重要。

肌や粘膜が乾く…更年期の渇き対策。体の貯水タンクを育てる筋トレと、水分・ミネラル不足を防ぐ対策

肌や粘膜が乾いたり、一方で汗をたくさんかいたり、就寝中の明け方にふくらはぎがつったり…。更年期になると、こうしたトラブルが起こりがちです。特に夏の間はさらに外気の暑さが加わり、大量の汗をかいたり、熱中症を起こしやすくなったりと、より対策が必要な時期でもあります。対策としては、水分やミネラルの補給をうまくしてあげることが何よりも大切です。今回はなぜ更年期にこうしたトラブルが起こりやすくなるのか、その対策方法についてもお伝えします。

■更年期に水分・ミネラルが不足しがちになる原因は

更年期には、個人差はありますが、急に上半身が熱くなって滝のような汗をかくホットフラッシュ、肌や粘膜の乾燥、ふくらはぎがつるこむらがえりなど、さまざまなトラブルが起こりやすくなります。これは、更年期になると体内の水分やミネラルが不足しやすくなることが大きな原因の1つです。

なぜ水分やミネラル不足が起こるのでしょうか。理由は大きく分けて2つあります。

1つ目は、自律神経の乱れです。40代、50代の女性ホルモンが大きく変化する更年期には、女性ホルモンの急激な低下から自律神経が乱れやすくなります。すると、心や体に様々な症状が起こりやすくなりますが、その代表的な症状がホットフラッシュです。大量の汗をかくことで水分やミネラルが体内から出て行き、脱水状態になりやすくなります。また、何回もトイレに行きたくなる頻尿などの症状でも、水分が体から出て行きやすくなります。

2つ目の理由は、筋肉量の低下です。筋肉は、別名“貯水タンク”と呼ばれるほど、体内で最も水分を蓄えている組織です。女性は男性にくらべて筋肉の量が少ないうえ、運動をあまりしないでいる状態が続くと、筋肉量は低下していってしまいます。すると、体内に水分を十分ため込めなくなり、水分不足や熱中症になりやすくなります。

■水分・ミネラル不足は疲れ、こむらがえり、頭痛などさまざまな不調を引き起こす

では、水分やミネラルが不足すると、どのような影響が現れるのでしょうか。

水分が不足すると、血液の巡りが悪くなり、十分な酸素や栄養素が体内にうまく巡らなくなります。疲労物質がたまったままになることで、「なんとなく疲れやすい」という症状が現れるのはその一例です。また、水分・ミネラルの不足によって、ふくらはぎがつるこむらがえり、肌の乾燥、便秘、膀胱炎、口の中がかわくドライマウスなどの症状が起こりやすくなったり、集中力の低下、頭痛、めまいなど、いろいろな不調を引き起こすこともあります。さまざまな不調が起こると、更年期だから仕方がない、だったり、そういう体質に変わってしまったのかもしれないなど、つい思ってしまいがちです。しかし、上手に水分・ミネラルを補給することで、不調の改善も期待できます。ぜひ積極的に対策をしていきましょう。

■対策1:水分だけではなくミネラル、ビタミンもこまめにとる

自分でできる水分・ミネラル不足対策、今回は2つ紹介します。

暑い夏、少し動くだけで汗をかきます。運動をしたり、突然やってくるホットフラッシュでも汗をかきます。私たちは、汗をかくと水分が排出されるだけではなく、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルや、ビタミンC、ビタミンDなどのビタミンなど、様々な物質も一緒に排出されてしまいます。そのため、水分を補給をするときには、ビタミンやミネラルなども一緒にとることが大切になります。そのときに活用したいのが、スポーツドリンクです。スポーツドリンクには、ビタミンやミネラルのほか、疲労回復を助けるクエン酸、筋肉の材料となるプロテインやアミノ酸のBCAAなど、製品によってさまざまなものが含まれています。塩分、甘さ、カロリー控えめで自分の好きな風味のものを選んで活用してみましょう。のどがカラカラになってからではなく、のどがかわいたと感じていなくてもこまめに摂取することも大切です。

■対策2:太ももの筋トレで体の貯水タンクを育てる

2つ目は太ももの筋トレです。

先に紹介したとおり、筋肉は水分をため込む貯水タンクの役割をしています。そのため、筋肉量を落とさないことが水分不足の対策のためにとても大切です。特におすすめしたいのが、ももの前側の筋肉を鍛えること。ももの前側にある「大腿四頭筋」は、体の中でも最も大きい筋肉の1つです。ここを鍛えることは、効率よく貯水タンクを育ててあげることにつながります。今回紹介するのは、自宅でもどこでも簡単にできる膝への負担が少ないスクワットです。

1. 足は肩幅の2倍の広さに開く。

2.おじきをするように、脚の付け根から上半身を前に倒す。両手は前に伸ばす。

3.そのままお尻をゆっくりと床の方におろす。床と太ももの裏側が平行になるところでストップして、5秒キープする。

4. ゆっくりと膝を伸ばして2.に戻る。

5. 3.と4.の動きを5回繰り返す。

簡単でどこでもできるスクワットなので、スキマ時間を活用してぜひ生活に取り入れてみてください。まだまだ暑い夏が続きますが、しっかり水分・ミネラルを補給し、水分補給できる体づくりも同時に行っていきましょう。

ライター/永田京子

NPO法人 ちぇぶら代表理事、更年期トータルケアインストラクター 1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。口コミで広まり、企業や医療機関など国内や海外で講演を行い述べ3万人以上が受講。