門脇 麦「役を作るという感覚があまりない。多分、全部自分なんだと思います」

AI要約

作家の樋口毅宏さんが女優の門脇 麦さんにインタビュー。門脇さんの出演作品や演技について紹介。

門脇さんの映画『愛の渦』や『止められるか、俺たちを』、舞台『未来少年コナン』への出演について樋口さんが賛辞を贈る。

門脇さんの個性的な映画作品への出演や演技力について樋口さんが感銘を受け、映画『ほつれる』を特に称賛。

門脇 麦「役を作るという感覚があまりない。多分、全部自分なんだと思います」

世のオヤジを代表して作家の樋口毅宏さんが時代の先端を走る女神たちに接近遭遇! 今回のゲストは、俳優の門脇 麦さんです。世界的演出家のインバル・ピントさんが手がける舞台『未来少年コナン』に出演中の門脇さんに作品や演出家の魅力について伺いました。

『さらば雑司が谷』『タモリ論』などの著書で知られる作家の樋口毅宏さんが、時代の先端を走る女神たちの魅力に迫る連載対談企画「樋口毅宏の手玉にとられたい!」。 

今回のゲストは、女優の門脇 麦さん。高校卒業後、2011年にテレビドラマでデビューし、2014年には映画『愛の渦』など数作品で、第88回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞を受賞。さらに2018年に第42回エランドール賞新人賞を、2019年には『止められるか、俺たちを』で第61回ブルーリボン賞主演女優賞を獲得するなど、若手演技派女優としての確固たる地位を確立しています。

そして2024年も数々の作品に出演するなか、世界的演出家のインバル・ピントさんが手がける舞台『未来少年コナン』(上演中)に出演。本格的な稽古が始まる直前に、樋口さんがお話を伺ってきました。映画だけでなく、ドラマや舞台と幅広く様々な役を演じきる門脇さんの奥深い魅力に迫ります。

樋口毅宏さん(以下、樋口) 今日はお会いできてうれしいです。よろしくお願いします。

門脇 麦さん(以下、門脇) よろしくお願いします。

樋口 僕は、音楽と映画ぐらいしか楽しみがない人間なのですが、僕の好きなタイプの日本映画にかなりの確率で門脇さんが出てくるんです。もうずっと前からです。特に『愛の渦』で僕はぶったまげました。あれで腰を抜かさなかった人はいないのではないでしょうか。

門脇 ありがとうございます。映画の内容的にもそうかもしれないですね。

樋口 それ以降も個性的な映画、最大公約数を狙ったマスではなく、規模が小さくても内実ある佳作に出続けられている印象があります。近年では『止められるか、俺たちを』も素晴らしかったです。最後のクライマックスの長回しや、そこへの持っていき方にも自然と引き込まれました。

そして、去年の『ほつれる』! 映画好きのマニアの間でよく話題になるんですが、個人的には門脇さんの決定打になった作品ではないかと思いました。