「役目終えた」タウンページ、全盛期はいつだった?--約135年の歴史とともに振り返る

AI要約

NTT東西が紙のタウンページと番号案内の提供を2026年3月末で終了することを発表。

タウンページは電話帳の歴史を紹介し、利用が急激に減少していたことが示唆される。

番号案内サービスも長い歴史を持ち、利用がバブル期にピークを迎えた後、減少傾向にあった。

「役目終えた」タウンページ、全盛期はいつだった?--約135年の歴史とともに振り返る

 NTT東日本とNTT西日本は7月19日、「紙のタウンページ」と「番号案内」(104番)の提供を2026年3月末で終了すると発表した。インターネットの普及に伴い「役目を終えた」と両社は説明しているが、実際のところどれくらい利用されていたのか。

タウンページ

 そもそもタウンページとは、NTT東西が発行している「職業別電話帳」のことだ。日本における電話帳の歴史は古く、電話が開通した1890年に「電話加入者人名表」として提供が始まった。

 その後は「電話番号簿」に改称し、「職業別電話番号簿」と、個人名も掲載する「50音別電話番号簿」に分かれた。そして、1971年には電話番号簿が電話帳に改称。職業別を「タウンページ」、50音別を「ハローページ」とする愛称も決まった。なお、ハローページはひと足早く2023年に提供を終了している。

 NTT東西によると、電話帳の掲載数のピークは、記録が残っている範囲では2000年の約181万件だった。その後、インターネット検索が普及し、2023年にはピーク時より94%少ない約11万件となった。なお、利用が低迷している2023年でも、電話帳はNTT東西の紙の使用量の77%を占めており、廃止によって環境負荷低減が見込める。

番号案内(104番)

 続いて104番について。104番とは、104番にダイヤルし、氏名や企業名と住所を伝えると、該当する電話番号を案内してくれるサービスだ。料金は1案内あたり66~165円で、24時間365日利用できる。

 この番号案内サービスも1890年の電話開通と同時に始まった。当初の加入者数は197だった。1953年には市内番号案内が104番に、市街番号案内が105番に分かれた。1986年にはコンピューターでの案内業務を開始し、1989年には全国の電話番号を104番で案内するようになった。

 NTT東西によると、104番の利用ピークはバブル経済真っ只中の1989年で、利用回数は約12億8000万回だった。その後は減少を続け、2023年には1600万回となった。率にして99%の減少となる。

iタウンページはリニューアルを予定

 なお、タウンページという名称が消えるわけではない。インターネット上で電話番号を検索できる「iタウンページ」は2024年秋にリニューアルを予定しており、より使い勝手の良いサービスに生まれ変わるという。

 また、「点字電話帳」や、障害者向けに電話番号を音声で案内する「ふれあい案内」は提供を今後も提供を継続するとしている。