検定で知る魅力(7月20日)

AI要約

南相馬市の地元理解度を測る「ふるさと検定」が開催され、市内外の幅広い年代の約40人が参加。様々な問題に挑戦し、古里の魅力を再発見した。

震災と原発事故で傷んだ地域で、地元の魅力を再評価する検定は、市民の奥深さを知る良い機会となった。

問題の出題内容は自然や歴史、人物、料理など、市内の「お宝」が盛り込まれ、参加者は合否を超えて喜びを感じた。

 南相馬市の昆虫は何? ホッキ貝の別名は? 「相馬野馬追」の最終日に行われる野馬懸は何を祈願している?―。市民グループが地元の理解度を測ろうと考案した「ふるさと検定」の問題は多岐に及ぶ▼初の公認検定試験には、市内外の小学生から80代まで約40人が挑戦した。趣向を凝らした問題は難易度の異なる3段階。合格者には認定書が贈られ、親子3代で手にした家族もいる。「長く住んでいるけど、知らないこともあった」。古里の奥深さを知った参加者は、合否を超えて喜びを感じていた▼震災と原発事故で地域は傷んだ。復興が進む中で「郷土の魅力を再発見しよう」と、検定は準備が進められた。3年がかりでまとめた問題には市内の自然や歴史、人物、料理など60以上のリストが盛り込まれた。市民が地道に調べた郷土の「お宝」が詰まっている▼出題元となる読本は、主催団体のホームページで公開している。ダウンロードも可能だ。検定を受けると、問題づくりのメンバーに加われる。まだまだ眠っているおらが古里自慢を、人の輪を広げて掘り起こす。南相馬市民の売りは? もちろん「困難にひるまず前へ進む馬力」。野馬追の優駿[ゆうしゅん]のように。<2024・7・20>