電話帳、130年の歴史に幕 来年度末 NTT東西

AI要約

NTT東日本とNTT西日本は19日、店や会社の電話帳「タウンページ」と番号案内サービス「104番」の来年度末に終了することを発表した。

タウンページは地元の店や会社の電話番号を業種別に調べることができる歴史あるサービスで、104番はオペレーターに名前や住所を伝えると電話番号を教えてくれるサービスである。

スマートフォン普及により、タウンページと104番の利用は減少し、NTT東西は代替手段としてインターネット版のサービスを呼び掛けている。

 NTT東日本とNTT西日本は19日、店や会社の電話帳「タウンページ」の発行と番号案内サービス「104番」を来年度末に終了すると発表した。いずれも国内の電話開通と同時に始まったサービスで、130年余りの歴史に幕を下ろすことになる。

 ―タウンページとは。

 地元の店や会社の電話番号を業種別に調べることができる黄色い表紙の電話帳だ。NTT東西が「東京都港区版」など地域別に発行し、両社の固定電話回線を引く家庭に無料で配っている。前身は1890年発行の「電話加入者人名表」。その後「職業別」と「人名別」に分かれ、職業別電話帳が1983年にタウンページになった。

 ―人名別の電話帳はどうなった。

 個人や会社の電話番号を五十音順に載せていた「ハローページ」だが、一足早く昨年2月に廃止された。

 ―104番とはどんなサービスか。

 「104」に電話をかけ、オペレーターに個人や会社の名前、住所を伝えると、電話番号を教えてくれる。1回66~165円の料金がかかる。番号案内も1890年に始まり、1989年に全国の電話番号を104番で聞ける今の形になった。

 ―なぜやめるのか。

 手元で連絡先を調べられるスマートフォンが普及したからだ。この影響で、タウンページの発行部数は2005年度の6310万部から、昨年度は2660万部に減少した。104番の利用回数も89年度の12億8000万回から昨年度1600万回に激減。いずれも年間数十億円の赤字を計上していた。

 ―代わりの手段は用意しているのか。

 NTT東西は、店や会社の番号はインターネット版の「iタウンページ」を利用してほしいと呼び掛けている。

 ―個人の電話番号は。

 もともと104番でも個人の電話番号を案内する割合は全体の5%で、それほどニーズは高くなかった。個人情報の保護を重視する時代の流れもあり、NTT東西は「今後、個人の番号を案内するサービスの提供は考えていない」としている。