「G-SHOCK」のカシオがCVR最大40%を達成したEC改善施策とは? 「AI活用」「検索機能+レコメンド改善」など施策まとめ
ECサイト改善事例として、Casio UKの取り組みを解説。商品レコメンド機能の活用やA/Bテストによる最適化などを実施。
Casioの直販に注力し、スマホ版ECサイトではパーソナライゼーションやAI検索を導入。これによりコンバージョン率向上が期待されている。
切迫感を作り出す在庫表示や割引コードポップアップなどの施策で、Casio UKはコンバージョン率を高めている。
時計ブランド「G-SHOCK」などを販売するCasio UKのECサイト改善事例を解説します。Casio UKは、消費者が適切な商品を素早く見つけられるようにするため商品レコメンド機能を利用。また、サイト全体のどこにお勧め商品を表示するのが最も効果的なのかをA/Bテストするなどして、サイトの最適化を進めています。
Casioは卸売りも手がけ行っていますが、CasioのECサイトや「G-SHOCK」のブランド公式サイトからの直販に注力。次の地域において、時計、電卓、楽器を販売するECサイトを運営しています。
・北米
・ラテンアメリカ
・ヨーロッパ(英国およびアイルランド向けの別サイトを含む)
・中東・アフリカ
・アジア・オセアニア
英国とアイルランドのCasioの顧客のうち、約75%はスマホ版ECサイトで買い物をしています。しかし、画面サイズが小さいスマートフォンで商品を探すのは難しいため、Casio UKのECサイトと「G-SHOCK」のブランド公式サイトでは、コンバージョン率を高めるためにコンテンツのパーソナライゼーション、人工知能(AI)を活用した検索を取り入れています。現在のところ、この取り組みはうまく機能しているようです。
■ 「在庫表示」などの切迫感メッセージでCVR18%
コンバージョン率を高める1つの方法は、切迫感を作り出すことです。Casio UKは、自社のWebサイトでFOMO(顧客が買い逃ししている恐れがあること)メッセージを表示するテストを実施しました。
Casio UKのeコマースマネージャー、モニーク・グリーン氏は、米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』に対して、在庫数10個以下のSKUには「ラストチャンス」「在庫は残り5個」といったメッセージを表示すると話します。この方法によりコンバージョン率が18%に上昇したそうです。
■ ECサイトからの離脱前に割引コードのポップアップを表示
Nosto社の機能を使い、英国で運営するCasioと「G-SHOCK」のECサイトで割引コードを提供するポップアップメッセージを表示するキャンペーンを実施したところ、コンバージョン率40%を達成しました。