「生徒に寄り添えず」 大阪・泉南市中学生自殺 第三者委が指摘「親身になっていたか疑問」

AI要約

市立中学生の自殺事件において、いじめが認定されたことや学校側の対応不足が指摘されたことが報告された。

松波翔さんは学校でいじめを受け、学校側の対応が不十分だったため、自殺に至ったとされる。

遺族や市教委の信頼関係が崩れたことから、第三者委員会が設置されて改めて調査が行われる異例の事態となった。

「生徒に寄り添えず」 大阪・泉南市中学生自殺 第三者委が指摘「親身になっていたか疑問」

大阪府泉南市で令和4年3月、市立中学1年の松波翔(しょう)さん=当時(13)=が自殺した問題で、市の第三者委員会は31日、調査報告書を公表し、校内で松波さんへのいじめがあったと認定した。学校側の対応で状況が改善せず、家庭と学校側の関係が悪化するなど複合的な要因が自殺につながったと結論づけた。

報告書では小学3年だった平成29年12月、学校でのトラブルをきっかけに、他の児童から身体的な特徴をからかわれたり、突き飛ばされてけがをしたりするなど、いじめを受けるようになった。中学入学後も「少年院帰り」とからかわれるいじめを受けた。

これに対し学校側は、組織立った対応や市教委への報告を怠るなど対応が不十分で、松波さんや家族らは不信感を募らせていったと指摘。その結果「(松波さんは)苦悩にさいなまれ、心理的な狭窄(きょうさく)に至った」と自殺の要因を導き出した。第三者委は「学校が生徒や保護者に寄り添い、親身になっていたか疑問」とした。

母親は「いろんなことがボディーブローのように影響したのではないかと聞き、本当にその通りだと思う。学校や市教委は真摯(しんし)に受け止めて対応してほしい」とのコメントを出した。

この問題を巡っては、遺族と市教委の信頼関係が崩れて調査が進まず、市長部局が昨年1月、第三者委を設置して改めて調査する異例の事態になっていた。