自転車が信号無視、衝突したバイクの高齢男性が死亡…有罪の20歳男性尽きぬ後悔

AI要約

自転車の信号無視が原因となる事故が後を絶たない。昨年10月に神戸市で起きた事故では、信号無視の自転車と衝突したバイクの高齢男性が死亡し、自転車を運転していた男性が有罪判決を受けた。

加害者は尽きぬ後悔を口にし、遺族は「二度と事故を起こさないでほしい」と語気を強めた。

重過失致死罪に問われた男性の判決公判が5月、地裁で開かれた。桂川瞳裁判官は禁錮1年、執行猶予2年の有罪判決を言い渡した。

判決や検察側が示した供述調書によると、事故は昨年10月24日午前0時50分頃、神戸市須磨区の県道交差点で発生した。

兵庫県内では、21~23年の3年間で、信号無視した自転車が相手を負傷させる事故は61件発生。そのうちの8件は重傷を負わせる事故だった。

 自転車の信号無視が原因となる事故が後を絶たない。昨年10月に神戸市で起きた事故では、信号無視の自転車と衝突したバイクの高齢男性(当時69歳)が死亡し、自転車を運転していた男性が有罪判決を受けた。加害者は尽きぬ後悔を口にし、遺族は「二度と事故を起こさないでほしい」と語気を強めた。

 重過失致死罪に問われた男性(20)の判決公判が5月、地裁で開かれた。桂川瞳裁判官は禁錮1年、執行猶予2年(求刑・禁錮2年)の有罪判決を言い渡した。

 判決や検察側が示した供述調書によると、事故は昨年10月24日午前0時50分頃、神戸市須磨区の県道交差点で発生した。仕事を終えて自転車で帰宅中だった男性は、歩行者用の信号が赤だったにもかかわらず、時速約10キロで交差点に進入し、青信号で車道を走っていたバイクと衝突。バイクの神戸市須磨区、新聞配達員の男性は転倒し、3日後に死亡した。

 その日は特別に忙しく、疲労感が強かったという男性は、赤信号であることも、バイクが近づいてきていたことも気付いていたという。法廷で心境を聞かれた男性は「身勝手な行動をして申し訳ない。取り返しのつかないことをしてしまった」と声を震わせた。事故後も通勤時に自転車を使っているといい、「時々、自転車に乗るのが怖い」と心境を吐露した。

 桂川裁判官は判決で「信号に従って通行することは基本的な注意義務。過失は重大で、刑事責任は軽視できない」と指摘。一方で、反省していることなどを踏まえ、執行猶予付きにすると結論づけた。

 判決後、新聞配達員の妻は読売新聞の取材に対し、「かけがえのない家族を奪われて、つらい気持ちは変わらない。被告には夫を死なせたということを忘れないでほしい」と話した。

 ライフスタイルの変化で身近な交通手段への需要が高まる中、自転車による事故と悪質な法令違反は増加傾向にある。

 警察庁によると、2022年に全国で発生した自転車の絡む死亡・重傷事故は7107件。そのうちの7割強は自転車側に法令違反があり、信号無視は277件(3・9%)あった。

 兵庫県内では、21~23年の3年間で、信号無視した自転車が相手を負傷させる事故は61件発生。そのうちの8件は重傷を負わせる事故だった。