フィリピンの韓国人社会と長老派教会の老牧師

AI要約

ネグロス島のドマゲッティにある韓国教会とコリアン・タウンを訪れた。

コリアン・タウンでは韓国食品や飲料を買えるK-Martや韓国料理レストランがあり、フィリピン人と韓国人が交じり合う様子が描かれた。

フィリピン社会におけるKポップやKドラマの普及が、コリアン・タウンの繁盛に一役買っている可能性が示唆された。

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 3月26日。ネグロス島のドマゲッティは人口13万人のリゾート学園都市。郊外のホステル近くのバス通り沿いの2階建ての教会の脇にハングル文字で韓国教会(ハングク・キョフェ)と書かれた案内板があった。2階建ての教会はフツウのフィリピン人信者向けのようだ。教会の隣の中華食堂で中国江蘇省出身の女将に聞いたところ韓国教会が中華食堂の敷地の奥にあり韓国人の牧師がいるという。

 韓国教会は小さな建物で日本の小学校の教室を少し大きくしたくらいの広さ。入口に英語とハングルで由来が記されており「1990年にソウルとマニラの篤志家の寄付により建てられた長老派教会(Presbyterian Church)」とあった。

 韓国教会からバス通りを10分ほど北に歩くとコリアン・タウンというモールがあった。夕刻でかなり客が入っている。手前に開業準備中のゲームセンター、次にK-Town Coffeeというカフェ、K-Martという韓国物産のミニスーパー、韓国レストラン、K-Chickenというフライドチキンの店、更にK-Hot Plateという韓国焼肉店、K-カラオケが並んでいる。

 オープンエアのスペースにテーブルと椅子が置かれており、アイス・コーヒーやフライドチキンなど店からテークアウトしたものを飲食している。客層は大半がフィリピン人であるが、韓国人家族もちらほら見える。

 K-Martなるミニスーパーではキムチ、コチジャン、韓国焼海苔などの食材、韓国ビール、マッコリ、焼酎などの酒類などが並ぶ。面白かったのは陳列棚にぎっしりと並ぶカセット・ガスコンロ、プルコギ鍋、魚焼網、チゲ鍋などの韓国料理調理器具だ。主に市内在住の韓国人が買いに来るという。この店は2016年に市街地に開業したが手狭になったので2023年にコリアン・タウンに新装開店したという。

 フィリピンではKポップ、Kドラマ(韓流ドラマ)が人気となりマニラ、セブ、ダバオなどの大都会で韓国レストランが次々にオープンしてKフード(韓国料理)も広がって来た。現在では地方都市でも韓国レストランを見かける。ちなみにフィリピンの若者に聞くとKポップ、Kドラマは広く人気があるようで逆にJポップは殆ど知られていない。かろうじて知られているのはアニメの主題歌だけだ。そのようなK文化のフィリピン社会への浸透がコリアン・タウンの繁盛を支えているのだろうか。