一番売れてる防災食品「アルファ米」…水だけで“ふっくらご飯”ができるのはナゼ?【THE TIME,】
アルファ米は、炊かずに蒸かして作られる保存食で、もちもちとした食感が特徴的。
生米のβデンプンが熱調理でαデンプンに変化することでアルファ化し、長期保存が可能となる。
尾西食品の工場ではコンベアでゆっくり蒸かすことでアルファ米を作り、国産米で添加物不使用ながら5年半の賞味期限を実現している。
水を入れるだけで、おいしいご飯が食べられるアルファ米。今ではカレーライスやナシゴレンなども登場!フリーズドライご飯とは違う“もちもち”食感が残る秘密を探りました。
■そもそも「アルファ米」って何?
お米の保存食といえば、「パックご飯」や「フリーズドライご飯」もありますが、日本の防災食品の中で売り上げナンバーワンを誇るのが「アルファ米」です。
フリーズドライが“やわらかめ”なのに対し、アルファ米は“もちもち”が特徴なのですが、どんなお米か知っていますか?
生のお米は固いのに、炊いたらふっくら柔らかになります。それは米が「アルファ化」されるから。アルファ化とは「デンプンの変化」のことで、生米に含まれる固い「βデンプン」が、熱調理で柔らかい「αデンプン」に変わるのです。
炊いたお米を放っておくとカピカピになるのは、冷めることで固いβデンプンに戻っちゃうから。
しかし!ある方法を使うと、アルファ化したまま乾燥し長期保存が可能に。これが「アルファ米」。水を入れるだけで柔らかいご飯に戻るんです。
■米は炊かずに“蒸かす”ワケ
『月刊食品工場長』木下猛統 統括デスク:
「国産米で添加物不使用で、しかも賞味期限が5年半!」
その「アルファ米」を世界で初めて開発したのが、『尾西食品』(宮城・大崎市)です。
一体どのように作っているのでしょうか?
今回も、全国200以上の工場を取材してきた木下さんと一緒に工場内部へ!
まず案内されたのは、約6.5mの長さのベルトコンベア。お米がゆ~っくり流れています。
『尾西食品』本多 晃工場長:
「水をたっぷり吸った米をコンベアに薄く敷いて、蒸気を当てながら約30分蒸かします」
お米を“炊く”のではなく、時間をかけてゆっくり“蒸かす”のが尾西流。
炊飯器で1回1回炊くと効率がイマイチですが、コンベアで流しながら蒸かすことで連続生産が可能になるとのこと。
『月刊食品工場長』木下さん:
「炊飯だと、炊いている最中に米が踊りますよね?」