理事の名刺示し勧誘か コロナ融資巡る貸金業法違反 警視庁

AI要約

WAMの元理事が貸金業法違反事件で逮捕された際、融資を勧誘する際に在任時の名刺を示していたことが明らかになった。

三浦容疑者らはWAMの信用を利用して、40法人から手数料計5億円を受け取ったとされる。

WAMは三浦容疑者の融資に対する権限を否定し、事件の背景や経緯が明らかになっている。

 独立行政法人「福祉医療機構(WAM)」の新型コロナ関連融資を巡る貸金業法違反事件で、逮捕されたWAM元理事三浦由博容疑者(67)が融資を勧誘する際、理事在任時の名刺を示していたことが19日、捜査関係者への取材で分かった。

 

 警視庁捜査2課は、同容疑者がコロナ禍で資金繰りに苦しむ医療法人などに対し、WAM理事だったことを強調して信頼を得ようとしたとみて調べる。

 捜査関係者によると、融資の勧誘は医療福祉コンサルタント会社役員の北村隆史容疑者(62)が担当。三浦容疑者が同席することもあったが、WAMを退任していたにもかかわらず、理事時代の名刺を示していた。

 三浦容疑者らは「元理事の口利きで確実に融資を受けられる」と持ち掛け、全国約40法人から手数料計約5億円を受領したとみられる。

 WAMからの融資は、書類がそろっていれば受けられる仕組みで、三浦容疑者らによる仲介は必要なかった。仲介を依頼した法人の審査で、WAM側が優先順位を上げるなど便宜を図った形跡も確認されなかった。

 WAMは時事通信の取材に対し、「(三浦容疑者は)理事在任中も退任後も、融資に対する権限はなかった」と説明した。

 三浦容疑者らは、貸金業の登録がないのに、医療法人など5法人に対するWAMの新型コロナ関連融資計約10億円を仲介したとして、貸金業法違反容疑で18日に警視庁に逮捕された。

 三浦容疑者はみずほ銀行出身。2017年10月~19年9月にWAM理事を務めた。