質問は石破氏と小泉氏に集中、決選投票へ『秋波』にじませる場面も 自民党総裁選討論会

AI要約

自民党総裁選の討論会では、石破茂と小泉進次郎に質問が集中し、世論調査では小泉氏が首位、石破氏が2位となっている。

議員の質問や石破氏の政策に関する回答、小泉氏の提案などが現場で行われた。

選挙戦の中で支持を固め、決選投票への視点や候補者同士の立場の変化などがうかがえる。

質問は石破氏と小泉氏に集中、決選投票へ『秋波』にじませる場面も 自民党総裁選討論会

14日に開かれた自民党総裁選(27日投開票)の日本記者クラブ主催討論会では、立候補者同士の質疑応答も行われ、石破茂元幹事長と小泉進次郎元環境相に質問が集中した。世論調査などで人気を集める両氏との差を埋める狙いがある。一方、過去最多の9氏による乱戦模様の中、決選投票を念頭に置いた「秋波」と臆測を呼びそうな場面もあった。

■原発、防災省、アジア版NATO…

「再生可能エネルギーに偏り過ぎた現行のエネルギー基本計画は年内にも変えるべきだ。『原発ゼロ』、少なくとも原発比率を下げるという考えなのか」

小林鷹之前経済安全保障担当相は討論会で石破氏を指名し、こう語りかけた。石破氏は「省エネも最大限にやっていかなければならない。結果として原発のウエートを下げることになっていく」などと答えた。

また、林芳正官房長官は石破氏が創設を目指す「防災省」に関して、「指揮系統はどうするのか」と質問。茂木敏充幹事長はアジア地域で集団防衛体制を構築するために石破氏が掲げた「アジア版NATO」について、「現実的ではない」と語った。

■世論調査は小泉氏首位、石破氏2位

小泉氏が導入を目指す、一般ドライバーが自家用車で客を運ぶ「ライドシェア」を取り上げたのは高市早苗経済安保担当相だ。ドライバーや利用者の安全性への不安を口にした高市氏に対し、小泉氏は「(海外では利用中に)警備会社とつなぐサービスもある」と回答した。

また、上川陽子外相が外交政策、加藤勝信元官房長官が小泉氏が主張する解雇規制の見直しに絡み質問を投げかけた。

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が8月下旬に実施した合同世論調査で、誰が次期総裁にふさわしいか尋ねたところ、小泉氏が首位で、石破氏は2位だった。

■「支持をはがしたい狙いが透ける」

両氏に質問が集中した背景について、自民幹部は「支持をはがしたい狙いが透ける。主張のもろさも感じているのだろう」と解説した。

一方で小泉氏は、自身と同じく政党から議員個人に支給される政策活動費の廃止を訴えている茂木氏を指名した。茂木氏が持論を展開すると、わが意を得たと言わんばかりに、「総理・総裁になった暁には(同じ方向を向いている仲間と)改革を進めていきたいと改めて思った」と強調した。

今回の総裁選は国会議員票や党員・党友による地方票が分散する公算が大きいだけに、上位二人で争う決選投票を見据えたラブコールとの見方もある。(内藤慎二)