菅前首相、自民総裁戦告示前に「完全燃焼」 小泉陣営へ野田氏引き込み 支持議員集めに奔走

AI要約

自民党総裁選において、小泉進次郎元環境相の支援を表明した菅義偉前首相が、推薦人の確保や議員の支持集めに全力を注いでいる状況が続いている。

菅氏は過去に総裁選出馬を断念した過去を持ち、自身の経験から50人の支持だけでは不十分と考えている。

野田聖子元総務相や斎藤健経済産業相など、他の候補への動きも見逃さず、巧妙な手法で支持を固めようとしている。

菅前首相、自民総裁戦告示前に「完全燃焼」 小泉陣営へ野田氏引き込み 支持議員集めに奔走

 自民党総裁選(27日投開票)を巡り、小泉進次郎元環境相(衆院神奈川11区)の支援を表明した菅義偉前首相(2区)が12日の告示前に「完全燃焼」(自民幹部)状態となっている。旧知の野田聖子元総務相の推薦人確保を阻むにとどまらず、逆に小泉陣営へと引き込んだ。出馬が困難視される斎藤健経済産業相を推す議員へも働きかけを進めているもようだ。「支持議員集めは100人が目標」と周囲を鼓舞し「地上戦ならぬ“地中戦”」(同)を続けた。

 小泉氏の出馬が濃厚になった2週間ほど前、有志議員の票読みで「議員票は50ぐらい集まるのでは」との見立てが広がった。それを耳にした菅氏は「100が目標だ」と一喝し、自ら支持議員集めに乗り出したという。“キングメーカー”批判を避けるため、個別の訪問や電話などによるステルス戦法をとったとされる。

 菅氏の強い危機感の裏には自身の苦い体験がある。首相在任中の3年前、総裁選出馬に向けて推薦人確保を側近の坂井学氏(5区)と島村大氏(参院神奈川選挙区=当時)に指示。関係者によると50人ほどのめどはすぐに立ったという。しかし、大派閥の圧力などにはあらがえず結果、再選出馬断念に追い込まれている。「50では足りない」との執念が生じるゆえんだ。

 「やっぱり菅さんは強い。(推薦人依頼の)声をかけても全部ブロックされます」。野田氏は6日に出演したBS日テレ報道番組で“地中下”の工作の一端を明かしぼやいた。