総裁選 政治評論家・有馬氏分析 石破茂氏と小泉進次郎氏の2強決戦投票が濃厚

AI要約

自民党総裁選が12日告示され、9氏が出馬。派閥解消により混乱が生じ、石破茂と小泉進次郎が脚光を浴びている。派閥の支援を受ける候補も見受けられるが、支持率は拮抗している。

地方票が決勝投票で重要視されるなか、一人残らず支持が割れる可能性が高い。石破と小泉が抜けるだけでなく、高市早苗や上川陽子なども注目されている。

決戦の行方は不透明であり、派閥解消後の票の読み取りが難しい状況にある。15日間の選挙戦で、さまざまな動きが予想される。

総裁選 政治評論家・有馬氏分析 石破茂氏と小泉進次郎氏の2強決戦投票が濃厚

自民党総裁選が12日告示され、ベテランから若手まで女性2人を含む過去最多の9氏が届け出た。27日投開票に向けた15日間の選挙戦がスタート。派閥解消により候補者が乱立し、1回目の投票で決着はつかず上位2人の決選投票になる公算が大きい。1回目の投票は党員・党友票が鍵を握り、現状では〝あの2人〟を軸に事実上の首相選びが展開しそうだ。

「ポスト岸田」レースが始まった。人材が豊富なのか、ただ混乱しているだけなのか…。これまでの5人を大幅に上回る9人が出馬。派閥裏金事件による派閥解消の影響が如実に表れた。

現状で選挙戦の軸となりそうなのはズバリ、石破茂元幹事長と小泉進次郎元環境相の2人だ。

総裁選の1回目の投票は国会議員票(367)と、党員・党友票を合わせた「地方票」を同数(367)で扱い、合計得票数を争う。9人の大量出馬でそれぞれに推薦人20人がついており、国会議員票は分散されるのが必至。そのため1回目は地方票が重要となる。

各種世論調査では石破氏と小泉氏がそれぞれ30%弱で拮抗。この両氏で地方票の約半数を分け合うとみられ、残り半数を7人で取り合うことになる。政治評論家の有馬晴海氏は「現状では石破、小泉両氏を抜くのは難しい」と分析する。

有馬氏は、前回総裁選で岸田文雄首相と決選投票まで進んだ河野太郎デジタル相について「今回は派閥(麻生派)の支援を受けており、勢いは落ちている」と指摘。真っ先に出馬表明した若手の小林鷹之前経済安保相も「政策面でアピールできていない」とした。

石破、小泉両氏が何らかの理由で支持が急落した場合、伸びてきそうな候補としては世論調査で3位につける高市早苗経済安保相、女性からの支持を集めそうな上川陽子外相の2人を挙げた。

上位2人の決選投票となるのは確実だが、決選投票では地方票が各都道府県連に1票ずつの47票に減るため議員票の比重が大きい。ただ仮に石破、小泉両氏が残ったとしても、やはり派閥解消の余波で「票読みは極めて難しい」(有馬氏)。

茂木敏充幹事長が早くも「小泉さんとは方向性が一致する部分は多い」と発言するなど、決選投票を見据えた言動も出始めた。勝ち馬に乗ろうとする動き、ベテランと若手の世代間の思惑、そして麻生太郎副総裁や菅義偉前首相、岸田首相ら〝キングメーカー〟の動向…。残り15日間、何が起こるか分からない。