憲法9条を維持しながら“9条の2”を新設し自衛隊明記へ…自民党が押し進める憲法改正の内容とは?

AI要約

TOKYO MXの朝の報道番組で、自民党が進める憲法9条改正について取り上げられました。

自衛隊明記に向けた憲法改正の論点整理が進められており、総裁選の争点としても注目されています。

憲法改正に関しては、国民の積極的な関与が求められており、慎重な議論が必要とされています。

憲法9条を維持しながら“9条の2”を新設し自衛隊明記へ…自民党が押し進める憲法改正の内容とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。9月3日(火)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、自民党が進める“憲法9条改正”について取り上げました。

◆憲法9条改正に向け、自民党が議論を加速

自民党は「憲法改正実現本部」で自衛隊明記に向けた憲法改正の論点整理を了承しました。改正案のイメージは、現行の9条1項「戦争の放棄」、2項「戦力の不保持」を維持した上で「9条の2」を新設し、自衛隊を明記。その内容は、必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持するとしています。

会合に出席した岸田首相は、「自衛隊の明記を含む複数のテーマを一括して国民投票にかけるべく議論を加速させる準備が整った」とし、新たな総裁のもとでの改正の実現に期待を示しました。なお、自衛隊の明記については、総裁選の争点のひとつとなる見通しです。

◆憲法9条改正“自衛隊”の明記が軸に

フリーキャスターの伊藤聡子さんは、「改正案を打ち出したところでどうやって合意を取っていくのかが不明。確かに自衛隊は存在し、そこに(憲法で)触れないのはどうなのかという思いが私もあるが、例えば、戦争が起きた際にはすぐに出動できるのか、災害時の動きなど、自衛隊にはいろいろな役割があるので、そうしたところも細かく詰めていかなくてはいけない」と意見し、さらには「ただ、ここで(改正案を)発しておくことに強い意図を感じる」とも。

キャスターの堀潤は、現在の憲法改正のスキームに関して苦言を呈します。現状、憲法改正の際は政治家が改正案を示していますが、「本来は主権者である我々国民が権力の暴走を食い止めるためにも憲法で(政治家を)縛るわけで、本当は(改正)案を考えるのは私たち一人ひとり。でも、憲法の議論は急に賛成か反対かになってしまう」と指摘。

その上で、「自分たちで憲法を作るということを習わなかった。改憲したいのであれば、まずは(憲法改正に関する)ワークショップのようなものをやってもいいのではないか。そうしたところからアプローチしてほしい。良い悪いの前に自分たちで(憲法について)考えたい」と切望します。

次いで伊藤さんが「少なくとも案をいろいろ出し、議論した上でそれらを組み合わせ、それぞれの党が案を提示していく形なら確かに納得がいくかもしれない」と憲法改正への思いを語ります。

一方、アーティビストの黒部睦さんは、「私たちが(憲法改正を)決めるという意識が希薄というか、特に(憲法改正が争点のひとつになっている)総裁選は自民党内で行われるから国民は関係ないと思ってしまうかもしれない。しかし、岸田首相も『国民投票にかけるべく』と言っていたので、この総裁選がいずれ国民に真意を問う前段階になっているという意識を私たちも持っておかないといけない」と来たる総裁選に絡め言及します。

また、番組SNSには「アメリカ占領下で作られた憲法を改正しようという動きになぜ反対なのか?」という意見もありましたが、堀は「(憲法改正には)すごく幻想があると思う。今、自分たちで憲法を改正すれば自分たちの憲法になると思っている方がいるが、それができる日本であれば、沖縄の問題も日米地位協定ももっと主権を持ってできるはず。それはできないけど急に憲法改正というのは、アメリカが関わる“憲法2.0”みたいなものができないか心配」と案じていました。